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エディーHCが思う日本の部活 20年変わらない疑問と「言われた事をよく聞く日本人」

腕組みして“上から言う”時代は終わり、エディーHCが思う指導者の在り方

 こう話した上で「練習で指導者が何か話す時は3つのポイントがある」と挙げ、アドバイスを送る。1つ目は「間違えたことの修正」、2つ目は「良かったことの称賛」、そして3つ目は「モチベーションの向上」だ。ジョーンズ氏は「練習中に話す場合はなぜ自分が話すのか、目的を持って言葉を発しないといけない」と言葉を添え、こう力説する。

「ゲームを通じてチームワークを教えてあげてほしい。チームワークはこれだと言葉で教えるのではなく、ゲームを通じてこういうものだと教える。例えば、このシーンで良かったという映像を見せてあげること。そういうプレーをしたら褒め、ご褒美をあげる。いいチームワークをしていなかったら、すぐに罰を与えることが重要になる」

 日本のスポーツ指導について熱く思いを語ってくれたジョーンズ氏。最後に、日本の指導者に向け、メッセージを送った。

「全体的に成長することが必要だ。指導において非常に重要なことは、試合より高い強度を与えて練習させること。それがただの練習以上の効果を生み出す。そうして自分を高められるようにストレスをかけ、その後に休ませるという繰り返し。バランスが大事だ。高校では練習を毎日やっていると思うが、しっかりと休ませてバランスを取ることが重要になる。その上で、若い子は自分で自主トレできる環境を作ってあげることを大切にしてほしい。

 今、アカデミーなどではコーチの指示でやっている現実がある。もし私がアカデミーを作るなら、休みを必ず週1日与え、若い時から自分たちで自主トレをできるようにやっていくだろう。今、コーチの役割も変わってきている。20年前は腕を組んで見ているだけ、命令形の指導をさせているだけで良かった。ただ、今は自分たちで発見したり、学びがあったりと誘導する指導法に変わってきている。それを達成できるようにうまくガイドしてほしい」

 現在は強豪イングランド代表を率いる名将。しかし、時を経てなお、日本のスポーツ界の発展を願っている。今も「エディーの魂」は、日本とともにある。

(13日掲載予定のインタビュー後編は「ジョーンズ氏が思う、日本スポーツの『日本らしさ』」)

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)

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エディー・ジョーンズ

THE ANSWERスペシャリスト ラグビー指導者

1960年1月30日生まれ。豪州出身。現役時代はフッカーを務め、ニューサウスウェールズ州代表。92年引退。教職を経て、96年に東海大コーチになり、指導者の道へ。スーパーラグビーのブランビーズなどを経て、01年豪州代表HC就任。03年W杯準優勝。イングランドのサラセンズ、日本のサントリーなどを経て、12年日本代表HC就任。15年W杯は「ブライトンの奇跡」と呼ばれる南アフリカ戦勝利を達成した。同年、イングランド代表HCに就任し、19年W杯は自身2度目の準優勝。近著に「プレッシャーの力」(ワニブックス)。

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