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「遠征費の安さ」に親も驚き 異端の高校が挑戦、“部活内リーグ”が生む2つの利点とは

昨年11月、発足からわずか3年で全国高校サッカー選手権出場にあと1勝と迫り、話題を呼んだのが相生学院高校サッカー部だ。兵庫県の淡路島を拠点に活動しており、通信制高校としての利点を活かしながら育成年代の新たな可能性を模索し続けている。そんな注目の新興チームが今、これまでのやり方を大きく変え、大人数の部員を抱えながら独自のリーグを運営し強化するという新たな挑戦に打って出た。公式戦並みの緊迫感を作るために、様々な工夫を凝らした「淡路プレミアリーグ」。実施するなかで見えてきた、2つの大きな利点について上船利徳総監督が語った。(取材・文=加部 究)

試合のないチームの選手がホーム扱いのチームを全力で応援、公式戦並みの空気感を作っている【写真:相生学院】
試合のないチームの選手がホーム扱いのチームを全力で応援、公式戦並みの空気感を作っている【写真:相生学院】

連載「相生学院高校が挑む部活革命」第4回、選手が主体的に生み出す緊迫感

 昨年11月、発足からわずか3年で全国高校サッカー選手権出場にあと1勝と迫り、話題を呼んだのが相生学院高校サッカー部だ。兵庫県の淡路島を拠点に活動しており、通信制高校としての利点を活かしながら育成年代の新たな可能性を模索し続けている。そんな注目の新興チームが今、これまでのやり方を大きく変え、大人数の部員を抱えながら独自のリーグを運営し強化するという新たな挑戦に打って出た。公式戦並みの緊迫感を作るために、様々な工夫を凝らした「淡路プレミアリーグ」。実施するなかで見えてきた、2つの大きな利点について上船利徳総監督が語った。(取材・文=加部 究)

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 1期生から2人のJリーガーが生まれた兵庫県相生学院高校では、部員を出身別に3チームに分けて「淡路プレミアリーグ」をスタートした。上船利徳総監督は、このリーグ戦に公式戦並みの緊迫感を吹き込むために様々な工夫をした。

 試合は原則として月曜日の午後1時半にキックオフ。全3チームが参加するので、12時になると試合のないチームの選手たちがトレーニングを始め、彼らはボールを蹴り終えると太鼓を鳴らして真剣モードの応援を始める。

 応援するのはホーム扱いになるチームだけで、逆にアウェー扱いのチームは敵地で戦う空気に晒されることになる。全試合をジェリー・ペイトン監督、ゼムノビッチ・ズドラブコU-16監督、さらには上船総監督が見守り、レフェリーを雇い報道陣やスカウトも足を運ぶ。試合の模様は相生学院サッカー部を支援する「ALL STARS CLUB」の公式ホームページに詳報され、各試合ではマン・オブ・ザ・マッチが選定され、活躍した選手のインタビューや上船総監督の各選手への評価点も載る。なお相生学院では、ピッチを離れれば選手主体のボトムアップ方式が導入されており、記事は選手たちが作成している。

「所詮、独自のリーグ戦では、公式戦の緊迫感は作れない」

 開幕前は、そんな冷ややかな視線が少なくなかった。だが上船総監督は「みんなが本気で取り組めば、きっと公式戦並みの空気感は作れるはずだ」と確信していた。実際、応援にも熱がこもり、選手たちも徹底して勝ち負けにこだわり「凄く良い雰囲気で、見ている側にも緊迫感が伝わり、実際にピッチ上も堅い試合になった」という。

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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