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日本を手こずらせた韓国右腕のシンカー 「右打者のカウント球」にも使った癖球を分析

「THE ANSWER」は東京五輪の大会期間中「オリンピックのミカタ」と題し、実施される競技の新たな知識・視点のほか、平和・人権・多様性など五輪を通して得られる様々な“見方”を随時発信する。多くのプロ野球選手も加入するパフォーマンスオンラインサロン「NEOREBASE」主宰、ピッチングストラテジストの内田聖人氏は投手の“球”を独自の「ミカタ」で解説する。

日本打線を手こずらせた韓国先発のコ・ヨンピョ【写真:Getty Images】
日本打線を手こずらせた韓国先発のコ・ヨンピョ【写真:Getty Images】

「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#67

「THE ANSWER」は東京五輪の大会期間中「オリンピックのミカタ」と題し、実施される競技の新たな知識・視点のほか、平和・人権・多様性など五輪を通して得られる様々な“見方”を随時発信する。多くのプロ野球選手も加入するパフォーマンスオンラインサロン「NEOREBASE」主宰、ピッチングストラテジストの内田聖人氏は投手の“球”を独自の「ミカタ」で解説する。

 日本は4日に行われた準決勝の韓国戦に5-2で勝利し、決勝進出を決めた。しかし、試合は7回まで2-2の接戦。日本を手こずらせた一人が先発コ・ヨンピョ投手。5回で7三振を奪い、2失点と力投。先発の役割を果たした。特徴的だったのは右のサイドから繰り出したキレのあるシンカー。侍ジャパンに投じた“クセ球”を分析した。(取材・構成=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

 ◇ ◇ ◇

 日本に敗れた韓国でしたが、力投したコ・ヨンピョ投手は印象に残る投手でした。

 真横から投げているサイドスロー。シンカーが素晴らしかった。特に1巡目。シンカーを中心に組み立て、左打者には三振を取り、右打者のカウント球にも使っていた。右打者にシンカーを使う投手は、日本ではそう多くありません。

 加えて、スライダーとカットボールがあり、3つの球種で左右に散らせる。シンカーが頭にありながら、いきなりスライダーが来る。2回先頭で浅村栄斗選手(楽天)が見逃し三振した球も真ん中でしたが、その背景があったと感じます。

 カットボールも印象的で、高めは腕のアングルが低い投手特有のライズする軌道。ストレートも140キロを超え、サイドスローならではの突き刺さるような強さがあり、フォームの特徴を最大限に生かした投球スタイルでした。

 特に素晴らしかったシンカーについて、お話しします。シンカーとはストレートと比べ、シュート成分が強く、かつ落差を生み出す球です。なかでも、シンカーには2つのパターンがあると、私は考えています。

 1つ目はコ・ヨンピョ投手のように球の上を切ってリリースするトップスピン系のシンカー。左投手のカーブのような軌道です。ダルビッシュ有投手(パドレス)が高校時代に投げていた球。一般的にイメージされるシンカーです。

 コ・ヨンピョ投手は、中指・薬指を使って球の上を切るようにしてスピンをかけているように見えました。実際、投げている本人にしか分からない感覚もありますが、映像を確認する限り、そういう印象でした。

 2つ目はジャイロ回転をかけたハード系のシンカー。これはメジャーリーグの左腕ザック・ブリットン投手(ヤンキース)が100マイル(約161キロ)近くで投げるとてつもない球。最近、メジャーで増えているタイプです。
 
 実際に投手をやっている人には分かる感覚と思いますが、スライダーやカットボールは微々たる軸のズレで逆方向に曲がることがあります。ハード系シンカーは同じ原理でシュート方向に変化させている球です。

 NPBで見ることは少ないですが、黒田博樹さん(広島、ヤンキース)が投げていたフロントドアのツーシームに近いイメージかもしれません。

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