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日本4強の裏で気になった久保建英と堂安律 松井大輔「決める為の選択肢は常に複数を」

GK谷がナイスセーブ、精神的な余裕がPK戦勝利に

 選手交代に関して、この試合ではあえて慎重に行ったという印象でした。主導権を握り返して得点を奪いに行くためにはもっと早く策を講じたほうが良かったかもしれません。ですが、得点を狙って前掛かりになる采配は、失点するリスクと隣り合わせです。90分でゲームを決めたいという気持ちを我慢して、延長戦を含めた120分を想定したマネジメントに徹したというわけです。

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 PK戦ではキッカー全員が落ち着いていましたし、GKの谷晃生選手もナイスセーブでした。おそらく準備段階からしっかり練習していたはずで、ある程度研究もできていたのでしょう。技術や運の要素もさることながら、やるべきことをしっかりとやってきたことから生まれる精神的な余裕がPK戦での勝利につながりました。

 それから個々のパフォーマンスで気になったのは久保建英選手や堂安律選手のプレーの選択です。久保選手はここまで3試合連続で得点を決めていて、堂安選手は良いプレーをしているけれど、PKによる1得点しか奪えていない戦前からの流れがありました。置かれている状況はそれぞれ違いますが、自分自身がゴールを決めたいという思いがとても強かったのは間違いありません。

 彼らには高い打開力と決定力があるので惜しいシュートシーンを何度も作れていました。チームの首を絞めるようなボールの失い方があったわけではないので、あとは決めるかどうかシュート精度の部分だけ。結果を求められる海外でプレーしている選手ですから当然シュートを打つし、ゴールを狙います。それが間違いだったとは思いません。

 ただ、僕の目には、彼らがエゴイストになり過ぎているようにも映りました。理想的なのは、周りにしっかりお膳立てしながら自分も決める展開です。そのためにシュートを打てる場面であえて打たず、フェイントやラストパスを入れることで相手の守備の目線をずらす工夫があっても良かったかもしれない。目の前の1本を決めるという集中力や強い気持ちは大切ですが、次の展開も考えて布石を打つプレーは相手からすると嫌なはずです。

 シュートやゴールに関しては結果論の部分も大きい。強引に打っても決めてしまえば誰も文句を言わないし、むしろ称賛されます。だからこそ決めなければいけないし、決めるための選択肢は常に複数持っていてほしい。エゴイストが悪いのではなく、エゴイストだけになってはいけないということです。それを実践できる能力を持っているからこそ、この試合を踏まえて準決勝以降のパフォーマンスにあらためて期待したい。

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