「タンポンを使ってまで続けたくない」 女性アスリートと「思春期の体の変化」の現実
今までと同じでは力が伸びなくなってきたとき、どうすればよいか
成長期の体の変化は避けては通れません。では、今までと同じでは力が伸びなくなってきたとき、皆さんはどうすればよいと思いますか?
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私は、自分の体の変化を受け入れ、トレーニングプログラムを変えることが必要だと考えます。
成長の過程で、自分の体が変わってきて良いパフォーマンスが発揮できないという場合には、まずは「今までと同じではいけないのかもしれない」と本人や指導者、ときにはサポートする家族が気づくことが大切です。そして、発育・発達段階に合わせて、適切なトレーニングプログラムに変えていく。体脂肪が増えたり、体のバランスが変化したりしたとしても、それに見合う筋肉がつけば体をコントロールできます。もちろん、子どもの頃のようにうまくはいかないかもしれませんが、筋肉をつけたり、技術を磨いたりすればカバーできると思いますし、それが「トレーニング」です。
思春期は成長のスピードが速いため、難しさは伴います。ですから最初に言ったように、「体を受け入れる」ということがとても大切。受け入れることができないと、子どものような体を維持しようと間違った方向に固執してしまい、摂食障害になる選手もいるからです。
しかし、そもそも思春期の変化は「壁」なのでしょうか?
確かに競技によっては、小柄の体重が軽く有利な競技もあると思います。でも、順調に成長していることは、人間として喜ばしいことです。
思春期は急に体が変わる時期です。これまでの感覚が通用しなくなり、よいパフォーマンスができない時期もあると思います。戸惑いも大きいでしょう。でも、成長期はいずれ終わり、その頃には大人の体になっています。そしてトレーニングやコンディショニングで大人の体に適応していけば、パフォーマンスはもっと上がります。
アスリートの体は常に進化を続けます。成長のなかでどう自分が強くなるか、うまくなるかを考えながら続けることは、思春期の壁を乗り越えるためだけでなく、長く競技生活を続けるためにも必要だと思います。
(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)