投手不在、柵越えNGの「新しい野球」 100か国近くで楽しまれる「ベースボール5」とは
原点はキューバのストリート野球、ホームランがないことも特徴
原点になったのは、キューバの子供たちがストリートでやっていた「クアトロ・エスキナス(フォー・コーナーズ)」。ボールはテープなどで丸めた即席の柔らかい球でもOK。狭い場所で4つベースの位置を決めて、少人数でもプレーする。キューバナショナルリーグで審判をしていた時、フラッカーリ会長は魅了された。
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「必要なのはボールだけでした。それで、我々は野球という美しいスポーツの異なる形を経験してもらうためにBaseball5を作ったのです。野球とソフトボールでは、グラブ、バット、捕手の防具、専用グラウンドなどが必要です。Baseball5はお金もかからず、誰でも、どこでも簡単にプレーできるんです」
2017年に定められた最初のルールも、「クアトロ・エスキナス」をベースにした。
「主眼に置いたのは、ストリートでも、屋内でも、屋外でも、ボールを使うだけで誰もがプレーできること。プレーしやすく、誰もが加われるものが欲しかったのです」
バッティングは簡単かと思われがちだが、意外と奥が深い。野球やソフトボールとの大きな違いは「柵越えホームランがない」ことだ。
外野フェンスに打球が直撃するか、越えてしまうとアウトになる。狭いフィールド故の規則だ。またファウルは1球打てばアウトになるし、打球がホームベースから4.5メートル以内でバウンドした場合もアウトになる。限られた場所を狙い打ちする技術が必要だし、守備側も捕球、スローイングと素早いプレーが求められる。
既に100か国近くでプレーされている新スポーツだが、フラッカーリ会長によると“日本人向き”とも言えるとのこと。「日本の野球とソフトボール選手たちはスピードがあり、守備が上手いです。試合のテンポの速さに引きつけられるのではないかと思っています」と広がりを望んでいる。