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腰痛に悩む人の意外な共通点 「全員と言っても過言ではない」硬くなっている筋肉とは

運動習慣のない人、痛みへの恐怖心がある人は殿筋のストレッチから

 大殿筋はお尻にある最も大きな筋肉ですが、骨盤のポジションを下から支えるという役割を担っています。しかし筋力不足により、骨盤を支えられなくなると、骨盤とその上に乗っている腰椎(背骨の腰の部位にあたる骨)は過剰にグラグラ動き、姿勢の支持が難しくなります。そこで、骨盤を安定させようと、周囲の筋肉にグッと力を入れてガッチリ固定。これが長年続くと、臀部、そして隣接する腰部まで、筋肉が拘縮してしまいます。

 また、筋肉の拘縮はさらなる痛みを呼びます。

 人間は歩いたり走ったりする際、脚だけでなく骨盤も動かしながら前進します。このとき、地面から体に跳ね返ってくる衝撃は、骨盤や腰椎が適度に動くことで吸収されています。

 ところが殿筋が硬くなると、骨盤の柔軟な動きが失われるため、甚大な衝撃を体がまともに受けてしまう。その積み重ねにより、筋肉などの組織がダメージを受け、痛みにつながります。

 以上のことから、腰痛のある人は殿筋の筋肉を鍛え、かつ柔軟性を保つ必要があります。しかし、運動習慣のない人や痛みに対する恐怖心があると、腰痛を抱えての筋トレは少々、ハードルが高い。そこで、まずは殿筋のストレッチに取り組んでほしいのです。

 筋肉が硬くなると痛みを感じる物質が分泌されるため、腰痛も強くなります。まずは、柔軟性をある程度取り戻すことで、痛みを軽減しましょう。すると、その後の運動量の増加や筋トレを実践する意欲にもつながります。

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中野ジェームズ修一

スポーツトレーナー

1971年、長野県生まれ。フィジカルトレーナー。米国スポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP-C)。日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナー。「理論的かつ結果を出すトレーナー」として、卓球・福原愛、バドミントン・藤井瑞希らの現役時代を支えたほか、プロランナー神野大地、トランポリン競技選手など、多くのトップアスリートから信頼を集める。2014年以降、青山学院大駅伝チームのフィジカル強化指導を担当。東京・神楽坂に自身が技術責任者を務める会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB100」がある。主な著書に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)、『青トレ 青学駅伝チームのコアトレーニング&ストレッチ』(徳間書店)、『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP)などベストセラー多数。

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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