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ボディコン日本一になった46歳 甲状腺の病を患い、変わった「普通のお母さん」の人生

ボディコンテストは「“誰々の妻や母”ではなく私個人として見てくれる」

「子供が高校生ぐらいになると行動範囲も広がって、自分から離れる時間も増えてきた。1人の時間が増えてきて、これからどんどん離れていくんだな、と思ったときに『私、このままでいいのかな』と思うようになった。『“誰々くんのお母さん”や“誰々さんの奥さん”のままでいいのかな』と」

 そんなときにジム通いでできたフィットネス仲間から「大会に出てみたら? 目標があったほうがいいよ」と勧められた。子供や家族、周囲の目が気になったが、子供に話してみると意外とすんなり応援をくれて、「ずっと一緒にいるよりは、お母さんも好きなことしているほうがいいよ」と背中を押された。

 2019年、フィットネス仲間に勧められたSBCに翌2020年から出場を決意したが、大会はコロナ禍で中止に。満を持して2021年に初出場すると初戦は3位、次戦は2位に順位を上げた。最初の2回は出るだけで満足だったが、甲子園を目指す高校球児だった長男に刺激を受けた。

「子供たちが一生懸命取り組んでいる姿を見て、負けて(部活を)引退したときに私もぽっかり穴が空いた。息子のサポートで忙しくて2戦目の後は一旦お休みしていたけど、息子の野球が終わるとスイッチが入った。胸を打たれたのもあるし、自分ももう一回、一生懸命やってみたいという思いも出てきた。兵庫県でベスト16に入った息子たちを見て、私も勝負熱が入ってしまった」

 長男の部活引退後、初めて出場した2021年静岡大会で念願の総合優勝を果たし、同年の日本大会にも出場した。しかし入賞はならず、悔しさを抱えて臨んだ2022年シーズン。SBCの木下智愛シニアマネージングディレクターからアドバイスを受け、他団体も含む様々な大会に出場してステージ経験を重ねた。

 その結果、2022年の日本大会で総合優勝。雪辱を果たした。「1年後、必ず優勝したいという思いでやってきたので、目標が達成できてホッとしているし、やっぱり嬉しかった」。これからもボディコンテストには出続ける予定。そこには特に同世代の女性に伝えたい思いがある。

「同じ世代の女性から『自分にはできないから頑張って』とよく言われる。普通の人である私でもできるからやってみたら、と言っても『夫が反対するから』とか『子供がいるから』とか“できない言い訳”をすごくされる。40代って“できない言い訳”を考えてしまう歳なのかなって。私もそうだったから。40代、50代、子育てしている30代もそうかもしれないけど、自分というものをもっと大切にしてほしい、という思いがすごくある。

“誰々の奥さん”“誰々くんのママ”“誰々ちゃんのお母さん”と、軸が自分にない人も多い。実は私もずっとそうだった。でも、コンテストだと私個人を見てくれて、私個人として付き合ってくれる友達がすごく増えた。40代って諦めるにはまだ早い。コンテストに出るようになって、『夫がいるから、子供がいるから諦めなきゃいけない』というのはちょっと違うな、と思えるようになった。自分の人生の主役は自分。子供でもなければ夫でもない。それを発信していきたい」

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