なぜ、腰痛は起こる? 働く大人を悩ませる2つの原因、予防に良い体幹トレ3種も紹介
忙しい大人向けの健康術を指南する「THE ANSWER」の連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」。多くのアスリートを手掛けるフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一氏がビジネスパーソン向けの健康増進や体作りのアドバイスを送る。
連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」
忙しい大人向けの健康術を指南する「THE ANSWER」の連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」。多くのアスリートを手掛けるフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一氏がビジネスパーソン向けの健康増進や体作りのアドバイスを送る。
年を重ねると悩ませるものの一つが、腰痛だ。働く大人を悩ませ、重症化すれば、仕事に支障をきたすようなこともある。いったいなぜ、腰痛は起こるのか。中野氏が2つの原因を解説し、さらに腰痛予防に良い体幹トレーニング3種類も紹介してもらった。
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働く現役世代の方たちから寄せられる体の悩みのなかでも、常に質問が多く寄せられるのが“腰痛”です。
腰痛の原因は大きく2種類に分けられます。一つは「構造が壊れている」場合。じん帯や筋肉、骨、軟骨などの損傷によって痛みが出るケースで、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などが代表的な疾患です。こちらの場合、トレーニングでは問題を解決できないどころか悪化する恐れが高い。まずはドクターに相談し、異常があれば医療機関での治療が必要です。
もう一つは、「体の構造には問題がない」場合で、損傷などがなく、医学的には原因のはっきりしない痛みです。不良姿勢、不良動作、筋力不足による姿勢の乱れ、そして心理的なストレスなどが引き金になり、痛みが出ると考えられています。
実は腰痛の85%は、後者にあたるという報告があります。
この「体の構造が壊れているわけではない」腰の痛みは、日常生活での姿勢や動作が深く関係しています。例えば、デスクワークなどで1日の大半を座って過ごすと、長時間、同じ姿勢でいるため体の一部分に過度な負担がかかります。また、デスクワーク時に猫背になる、柔らかいソファに腰を沈めるなどの不良姿勢は、腰椎の自然な湾曲が崩れるため、痛みの引き金になります。
ほか、ハイヒールを履く方は過剰に腰が反りやすいですし、つい中腰で(膝を伸ばしたまま)重いものを持ち上げてしまう習慣も、腰椎に負担をかけます。これらの不良姿勢や不良動作を繰り返すと、腰椎のバランスが崩れて痛みが発生しやすくなる、というわけです。