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ラグビー日本は「賢明だった」 敵将も称賛のイングランド対策、接戦演じた先の“20分”に表れた差

リズムを掴みかけた連続攻撃でのパスミスや反則に課題

 伝統的にキックを軸にゲームを組み立てるイングランドだが、この日の日本は、そのキック戦法に応戦。SO松田力也(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、SH流大(東京サントリーサンゴリアス)のHB団を中心にキックを使って敵陣に攻め入り、戦うプランを貫いた。その流は、敗戦の中の収穫と敗因をこう振り返った。

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「基本的にはゲームプラン通りに進められましたし、FWがすごくセットプレーも頑張ってくれた。クロスゲームをしていこうというのがプランだったので、そのへんは良かったと思うが、こっちがミスをして相手に主導権をあげてしまうことがあったので、その辺の差が出て、こういう結果になったと思う」

 段階的に改善されてはいるが、流がミスを敗因に挙げているように、7、8月の代表戦でも課題に浮上した完成度の低さは、この日も露呈した。イングランドの先制PGに繋がるFBセミシ・マシレワ(花園近鉄ライナーズ)のハンドリングミスをはじめ、リズムを掴みかけた連続攻撃でのパスミスや反則など、スコアチャンスを潰すプレーも相次いだ。

 プールDでの決勝トーナメント進出争いでは、次のサモア戦が負けられない戦いになってきた。22日(日本時間23日)にはアルゼンチンVSサモアという注目カードもあるが、FLリーチ・マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)はイングランド戦で次戦への好感触を掴んでいる。

「すごく強い相手にプレッシャーをかけることができていた。たぶん同じゲームプランでいくと思うので、ディフェンスを微調整していけば、もっと楽な試合運びができると思う」

 ボーナスポイントなしの敗戦は、決勝トーナメント進出には大きな痛手であり選手の落胆も大きいが、収穫も見出した。サモアが消耗も激しいはずのアルゼンチンと対戦してから、中5日で日本戦を迎えるのに対して、日本は倍の中10日。コンディショニングも準備も万全の中で、完成度を高めて“負けられない一戦”へ向かう。

(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)


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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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