大谷翔平も使った“父親休暇” 米国でも紆余曲折、意識変化でようやく定着 米メディア指摘「誰も責めない」
米大リーグ・ドジャースの大谷翔平投手は19日(日本時間20日)に、第一子となる長女の誕生を自身のインスタグラムで報告した。この際に日本でも注目を集めたのが、聞き慣れない「父親リスト」という単語だ。妻が出産する際に選手が大リーグ登録を外れて支えることが可能な制度だが、現在のように多くの選手が利用するまでには紆余曲折があったという。米データサイト「ファングラフス」が伝えている。

父親リストに入る選手が多いのは4月や7月…なぜ?
米大リーグ・ドジャースの大谷翔平投手は19日(日本時間20日)に、第一子となる長女の誕生を自身のインスタグラムで報告した。この際に日本でも注目を集めたのが、聞き慣れない「父親リスト」という単語だ。妻が出産する際に選手が大リーグ登録を外れて支えることが可能な制度だが、現在のように多くの選手が利用するまでには紆余曲折があったという。米データサイト「ファングラフス」が伝えている。
大谷は18日(同19日)に父親リスト入りして一時的に大リーグの選手枠を外れ、同日からのテキサス遠征に同行しなかった。真美子夫人が出産した後の20日(同21日)になって復帰し、レンジャーズ戦に「1番・DH」で先発出場した。リスト入りしていた期間は2日だった。父親リストは2011年に大リーグが導入した制度で、最長3日間の取得が可能。この間は別の選手を登録できる。
「ファングラフス」は「昨夏に何をしたかは知っている:野球選手に子供が産まれるとき」という記事を掲載。父親リストに入った選手は過去、4月や7月に多いと分析している。さらに、制度の歴史と変化についても紹介した。
父親リストは2011年に制度化されたにもかかわらず、使うのに後ろ向きな姿勢が払しょくされるまでに何年もかかったのだという。「野球選手は何があろうと、毎日プレーするよう期待されている。だからリーグは2011年まで父親リストという仕組みを作らず、現在でも選手が取得できるのは3日間だけなのだ。3日間だ! 赤ちゃんが成長するには3日以上かかる」と、現状の日数は決して十分ではないと見ているようだ。
ただ「近年、状況は変化している」とし、2011年には父親リスト入りした選手が20人に満たなかったのがその後増加。直近の4年間で制度として定着したと指摘している。2021年には49人がリスト入り。その後も54人、56人、昨年も51人と推移している。
球界の空気も変わってきたようで「近頃では、選手が出産のために3日間も休んでも誰も責めない。しかし以前は、選手は特定の時期にしか“父親休暇”を取得できなかった」と伝えた。
「2012年のミスター・タフガイなら、4月に誕生する赤ちゃんのために“父親休暇”を取る気にはなれないかもしれない。しかし、球宴休みに向けて物事が徐々に落ち着いてくる7月には、生まれたばかりの赤ちゃんと1日か2日、余分に過ごすことはそれほど恥ずかしいこととは思わないかもしれない」とし、7月の父親リスト入りが多い理由を分析している。
(THE ANSWER編集部)