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エース依存からの脱却と2つの“シェア” 開幕2連勝のB1群馬、新任HCが仕掛ける変革

プロ2年目のPG菅原、実力者加入は「ありがたい機会」

 群馬の戦いを見て感じたのは、2つの“シェア”だ。1つはすでに説明したタイムシェアで、もう1つはボールシェアだ。


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 トレイは過去2シーズン、群馬の圧倒的なエースだった。彼は196センチ・98キロのウイングプレーヤーだが、サッカーに例えるなら“司令塔兼ストライカー”のような仕事を引き受けてきた。ドリブル、パス、シュートとすべてに秀でた彼に自然とボールは集まり、ボールの専有率はチームでもダントツだった。

「昨シーズンはトレイ選手がボールを運んで、最初から最後までやる形が多かった。彼はどうしても責任感の強い選手なので『プレーをしなくてはいけない』『作ってこなければいけない』『決めてこなければいけない』となりがちでした。でもボールをシェアして、起点になる選手を増やすことで、彼に集まっていた(相手の)守備が分散して、今度はより彼が攻めやすくなる。そういう状況を作っていきたいと思っています」(水野HC)

 並里が不在のなかで、存在感を増しているのが筑波大から加入して2シーズン目のPG菅原だ。滋賀との2試合はいずれも先発し、20分前後のプレータイムを得ていた。プロとしてのキャリアは浅いが、トレイへの依存を解消するだけの貢献を示していた。

 水野HCは言う。

「今年の夏、菅原が前向きに一生懸命取り組んでいる姿を見ました。そういう姿勢に対しては、チャンスがあるべきだと僕は考えています。並里選手の怪我で、チャンスが目に見えるような形で出てきて、彼はそれをつかみ取ろうと必死にやっている段階です」

 一方、菅原自身はこう振り返っている。

「昨シーズンはチームとしても個人としても全然満足できませんでした。(オフは)アメリカに行って、いろいろなことを学びました。昨シーズン以上にしっかり準備したいと思って、早めに取り組んできました」

 昨シーズンの菅原は1試合平均の出場時間が13.3分で、3番手のPGだった。同じポジションの笠井康平が宇都宮ブレックスに移籍したものの、今季はそこに並里という問答無用のエース候補が加わった。チームには昨季の正PGだった42歳の大ベテラン五十嵐もいる

 彼はこの状況を前向きに受け止めていた。

「自分としては本当にありがたい機会だと思っています。(五十嵐)圭さんは昨シーズンから学ぶことが多くて、今回また違うタイプの(並里)成さんが来てくれました。『出られない』という(後ろ向きの)気持ちより、ワクワクが大きいです。成さんが怪我をする前は練習でもずっとバチバチやっていて、とても楽しかった。自分にとってはプラスです」

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