「体を大きくしたい」中高生に大切な補食 1番目に摂るべきは「練習後」2番目は?
栄養・食事の観点からジュニア世代の成長について指南する、「THE ANSWER」の保護者向け連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」。プロ野球・阪神タイガースなどで栄養サポートを行う公認スポーツ栄養士・吉谷佳代氏が講師を務め、わかりやすくアドバイスする。第21回は「補食」について。
連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」第21回
栄養・食事の観点からジュニア世代の成長について指南する、「THE ANSWER」の保護者向け連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」。プロ野球・阪神タイガースなどで栄養サポートを行う公認スポーツ栄養士・吉谷佳代氏が講師を務め、わかりやすくアドバイスする。第21回は「補食」について。
◇ ◇ ◇
成長期にあたる中学、高校生の選手たちやご家族の栄養相談を受ける際、とても多い相談が「体を大きくしたい」というものです。
体を大きくしたい場合、現在の体重に合わせたエネルギー摂取量(食事の量)では、いくら筋トレに励んでも、体重や筋肉量は増えません。つまり「体が細い」「トレーニングをしても筋肉がつかない」という場合、まずは食事の量を見直す必要があります。
では、運動部に所属する中学・高校生の場合、平均的にどのぐらいの食事量が必要でしょうか? 例えば、体重70~80kgの野球部の高校生であれば、筋トレに力を入れる体作りの時期には1日3000~4000kcalが必要です。競技種目や運動量により多少、必要なエネルギー量は変わりますが、運動部の子どもは、だいたい、同年代の一般的なお子さんや大人と比較すると、1.5~2倍ぐらいの食事量になります。
たくさんのエネルギーが必要である一方、成長期の子どもの内臓は未成熟のため、消化・吸収の力、代謝の力は、大人よりもやや下回ります。ここが、「体を大きくしたい」という子どもの難しい点。たくさんの食事を無理矢理に詰め込むと、内臓に負担がかかり、消化・吸収もうまくいきません。特に夕食時の食べ過ぎは注意。消化に時間がかかるため、就寝中に内臓をしっかり休ませることができず、起きた時にも疲れが取れていないといった問題が生じます。
食べたものをしっかり体に取り込むには、内臓への負担をなるべく軽くして、消化・吸収を促すことが大切です。そのためには、1日の必要なエネルギー量を、朝・昼・晩の3食に無理矢理詰め込むのではなく、食事の回数を増やして、1回に食べる量を少なくする食べ方が適切。3食の食事+足りないエネルギーや栄養を補う少量の食事、「補食」を組み合わせると、体に負担なく、必要な食事量を食べられます。