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2社の社長になった元ロッテ投手 1個30円コロッケ揚げで得た第二の人生に必要なこと

日本におけるプロスポーツの先駆けであり、長い歴史と人気を誇るプロ野球。数億円の年俸を稼ぎ、華やかにスポットライトを浴びる選手もいる一方、戦力外通告を受けて現役生活に終止符を打ち、次のステージで活躍する「元プロ野球選手」も多くいる。

熊本で2社の社長になった元ロッテ香月さん。画期的な取組「BeARプロジェクト」に取り組んでいる【写真:本人提供】
熊本で2社の社長になった元ロッテ香月さん。画期的な取組「BeARプロジェクト」に取り組んでいる【写真:本人提供】

連載「Restart――戦力外通告からの再出発」第5回、香月良仁の異色の試みとは

 日本におけるプロスポーツの先駆けであり、長い歴史と人気を誇るプロ野球。数億円の年俸を稼ぎ、華やかにスポットライトを浴びる選手もいる一方、戦力外通告を受けて現役生活に終止符を打ち、次のステージで活躍する「元プロ野球選手」も多くいる。

 そんな彼らのセカンドキャリアに注目し、第二の人生で奮闘する球界OBにスポットライトを当てる「THE ANSWER」の連載「Restart――戦力外通告からの再出発」。第5回は2015年、ロッテで中継ぎとして40試合に登板した実績を持つ37歳・香月良仁さん。

 16年シーズン後に戦力外通告を受け、社会人時代から縁のあった熊本で現在は2社の社長を務めている。「野球(Baseball)」「eスポーツ」「農業(Agriculture)」を組み合わせた画期的な取組「BeARプロジェクト」では、新規就農者の支援を目的に活動中。今に至る経緯や、選手のセカンドキャリアに対する思いを聞いた。(文=THE ANSWER編集部・宮内 宏哉)

 ◇ ◇ ◇

 野球・eスポーツ・農業の“合体”。誰も思いつかない組合せで、新たな流れを作っている。16年シーズン限りでロッテを退団した香月さんは今、熊本を拠点として活動中。20年に学生指導に関するスポーツ事業、環境商材の販売などを行う会社「R&Associates」を設立し、今年1月には熊本からeスポーツを盛り上げる企業「e-spear」の代表取締役社長に就任。いまや2社の社長だ。

「正直、プロ野球はお腹いっぱいやりました。入団もクビになるのも人が選ぶもので、望まれなければきっぱり野球は終わりと思っていましたから」

 ロッテから戦力外通告を受けた後、12球団の編成担当らの前で実力を披露するトライアウトに臨む選択肢もあった。15年には40試合に登板し、防御率2.92の成績も残していたが「本当に必要とされるなら、受験しなくても連絡がくるもの」と割り切り、参加しなかった。17年からは社会人時代に所属していた熊本・鮮ど市場ゴールデンラークスに復帰。2年間投手としてプレーし、19年からはGM補佐専任となった。

 その間、熊本の農家の実情を知った。「高齢化が進んでいて、耕作放棄地がめちゃくちゃ多い。若い人には『キツイ・汚い・儲からない』のイメージもあるけれど、そんな中でも新規就農者になりたい人は多いんです」。ただ、農業には収益化、初期費用などの大きなハードルが存在する。

「箱詰めにこんなに手間がかかるのか」
「この野菜が1キロでこの価格になるのか」

 農家のジャガイモ、ほうれん草作りなどを手伝う中で、もっと作り手に利益が出てもいいと感じた。野菜を売り出しても、消費者の手に渡るまでにはかなりの中間手数料が発生してしまうのが現状だ。

 そこで香月さんは自らECサイトを立ち上げ、熊本の農家の新たな販路を作り上げた。

「農家さんからは『自分たちは作るスペシャリストだけれど、外に売るための営業が苦手』との声が大きかった。販路を作れば喜ばれる。世界の消費量はこれから増えていくと思うし、フードロス、環境問題の影響で、一次産業が生み出す野菜や肉、魚はかなりの価値を持つと思う。だから取り組まないといけないと思いました」

 単純に販路を作っただけで、大手ECサイトに対抗できるほど甘くはない。考えたのは、元プロ野球選手という立場と、eスポーツが持つ力を合わせることだ。

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