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仕事で大切なのは「お金」か「やりがい」か “指導”で生きる元陸上選手のビジネス論

お金を稼ぐために持つべき戦略「自分のメソッドを公開しないのは時代遅れ」

――秋本さんはSNSを使ってのメッセージ発信も積極的で、最近はnoteも始めています。

「僕がnoteを始めて、1発目の投稿が『夢は叶いません』というテーマで書いたんです。そうしたら、すぐに僕のホームページからある小学校の先生から『そのテーマで子供たちに講演してください』と依頼が来たんです。それが、奇跡的に自宅から10分くらいの学校でした。前々から住んでいる地域の小・中学校に何かできないか貢献できないか、ずっと思っていたので驚きました。

 23歳の時に自分でホームページを作って毎日ブログを書いていましたが、なんかそれに疲れちゃって、今はツイッターでさらっと思いを書ける時代ですし、写真や動画の方が自分の良さも出せるし伝わるよなって、楽な方に逃げていました。そんな時、僕のビジネスパートナーが絶対にnoteをやるべきだって何度も言ってきたんです。重い腰を上げて『じゃあ、やるか』と。やるからには全力でやりたいので記事1つ書くのに2時間ぐらいかけます。何度も見直して。自分の思いを全力で綴って。そうしたら、仕事に繋がったので驚きました。

 今、自分のメソッド、ハウツーを公開しないのは時代遅れすぎて、言ってしまえばYouTubeでガンガン公開する方が仕事になる時代です。その見せ方の温度感がすごく重要で、僕が主宰しているオンラインサロンの『CHEETAH(チーター)』は僕の現場でのコーチングを動画付きですべて公開しているんです。

 ただ、『CHEETAH』に入りたいと思う人からすると『いまいちよく分からないし、何やってんの、あそこ?』って感じです。オンラインサロン内ではバズっているんですけど、非公開なので世間には何も届いてないんですよね。そう考えると、YouTubeで中身をある程度披露することがめちゃくちゃ大事になってきますよね。ただ、YouTubeもレッドオーシャンなので相当の戦略が重要だと思います」

――お金を稼ぐということは当然、それだけ知恵を絞らないといけません。

「自分とは何者でどういう層に何を届けたいとのか。ここがブレると、すべて中途半端になってしまいます。世の中のトレンドってびっくりするぐらい高速で変わっていきます。専門性だけを高めるだけじゃなく、世の中のインフラがどうなっていくのかを予想したり、それに自分のやりたいことと世間が求めることを一致させにいく戦略も大事なんだと感じています。何気なく始めましたって簡単に成功する時代ではなくなってきている気がします。やるからには徹底的に研究して勝負したいと思っています」

■秋本真吾

 1982年生まれ、福島県大熊町出身。双葉高(福島)を経て、国際武道大―同大大学院。400メートルハードルを専門とし、五輪強化指定選手に選出。当時の200メートルハードルアジア最高記録を樹立。引退後はスプリントコーチとして全国でかけっこ教室を展開し、延べ7万人の子どもたちを指導。また、延べ500人以上のトップアスリート、チームも指導し、これまでに指導した選手に内川聖一(福岡ソフトバンクホークス)、荻野貴司(千葉ロッテマリーンズ)、槙野智章、宇賀神友弥(ともに浦和レッドダイヤモンズ)、神野大地(プロ陸上選手)ら。チームではオリックスバファローズ、阪神タイガース、INAC神戸、サッカーカンボジア代表など。今年4月からオンラインサロン「CHEETAH(チーター)」を開始し、自身のコーチング理論やトレーニング内容を発信。多くの現役選手、指導者らが参加している。

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)

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