41歳でサーブ球速200km超 現役最年長世界ランカーが錦織に「絶対に負けない」武器
テニス界に衰え知らずの鉄人がいる。松井俊英は2019年7月、41歳3か月でATP(男子プロテニス協会)の男子シングルスで世界ランク600位タイとなり、現役最年長ランカーとなった。40歳を過ぎてなお、球速200キロを超えるビッグサーバー。身長180センチに満たない体で、フィジカルの強さをベースにした攻撃的スタイルを貫けるのはなぜなのか。「THE ANSWER」のインタビューに応じ、知られざる肉体と精神に関する取り組みなどを語った。
男子テニス・松井俊英、サーブは「若い奴に負けない。錦織圭、大坂なおみにも」
テニス界に衰え知らずの鉄人がいる。松井俊英は2019年7月、41歳3か月でATP(男子プロテニス協会)の男子シングルスで世界ランク600位タイとなり、現役最年長ランカーとなった。40歳を過ぎてなお、球速200キロを超えるビッグサーバー。身長180センチに満たない体で、フィジカルの強さをベースにした攻撃的スタイルを貫けるのはなぜなのか。「THE ANSWER」のインタビューに応じ、知られざる肉体と精神に関する取り組みなどを語った。
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ジュニア時代は全くの無名。16歳でカナダへ単身語学留学し、ブリガム・ヤング大学ハワイ校でフルスカラシップを得ると、2000年にプロ転向。世界ランクのキャリア最高位はシングルス261位、ダブルス130位だ。12月23日時点ではシングルス762位、ダブルス177位。ダブルスで世界ランク“自己ベスト”とグランドスラム出場の夢を追い、国内外を転戦している。
現在開催中の国別対抗戦「ATPカップ(オーストラリア)」にも日本代表として出場中。4日に行われたウルグアイ戦のダブルスでは、ストレート勝ちで日本の勝利に貢献した。そんな大ベテランにインタビュー。全2回に分けてお届けする第1回のテーマは「体と心の取り組み」について――。
◇ ◇ ◇
――長く現役を続けられる一番の秘訣は。
「一番は、体と心をコントロールできたらいくらでもできると思うんですよ。例えば、体ならケアしたり、トレーニングしたりするのは当たり前じゃないですか。僕が食事面で本気でやっていたのがケトジェニックダイエット。ケトンというエネルギー源があるんですよ。それを主なエネルギー源として使うダイエット。最近でいう糖質制限ですね。パスタやピザ、寿司、米、サンドウィッチなどああいうものを全部食べないで、一日の糖質摂取量を50グラム以下にする。それを38歳の時に1年半くらいやって、結果的にはそれが凄くよかった。
トレーニングとかケア以外のところをトライ&エラーでやってきました。今、言われている栄養学とかと違うんです。1日3食バランスよく食べようとかではなく、夜なら肉と赤ワインだけとか。朝は抜いて、コーヒーにMCTオイルという中鎖脂肪酸とバターを入れて終わり。それで朝練に行って、昼はサラダとチキンとかそんな感じです。
頭がすっきりしたし、疲れも溜まりにくいし、筋肉痛とかもほとんどない。僕は糖質の代謝がよかったから、最初は糖質を摂らないときつかったけど、半年くらいで慣れてきた。単複どっちもやっていた時はこれをやっていましたね」
――テニスへの影響は。
「最初はきつかったけど、もう慣れたら凄いです。気温40度くらいあったタイの試合でシングルスに出ましたが、自分は38歳で相手は20歳くらいの選手。3時間くらいとても熱いところでガンガンやっても大丈夫。(水分補給は)水だけです。もう全然問題ない。つることもないし、疲労で体力が落ちることもない。メンタルもいい感じで落ち着いているし、それは凄くよかったです」
――数値的な体への影響は。
「体重がちょっと減ったくらい。体脂肪は1ケタです。今は糖質を摂っているから、10%から12%くらいあるかもしれないけど、シーズン中は10%前後です。ケトジェニックダイエットをしている時は8、9%とか」
――今やってないのは理由は。
「今はオフなのと、ダブルスに専念しているから。肘を壊してダブルスだけに専念して以降、そこまでエネルギー源にこだわらなくよくなったので、今はやらずに糖質を摂っています。エネルギー回路にこだわらなくてもいい。昔は単複両方だったので」