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「親戚の家に泊まれるのに…」指定ホテル強制、観戦も有料化 米国ユーススポーツに何が起きている?

我が子が優位に立てるのならお安いもの…と考える保護者も

 というわけで、15年前のユーススポーツが安かったわけではない。前述したように、一部の練習はお金で買うものであったし、家庭の経済事情によって競技チームでのプレー機会を見送るということも、すでにあった。また、トーナメント業者への批判もあった。トーナメント業者は「大学のスカウトが来る大会」として参加者(と参加費)を集めていたが、本当にスカウトが来ているのかあやしい、などである。

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 しかし、これまでは、保護者が話し合って決めたり、無償の働きで補ったりしていた部分まで、投資ファンドが入ってきたことによって価格の付いた商品としてパッケージに組み込まれるようになった。話し合ってあれこれ決めなくてもいい。その代わり、一つ一つのサービスにお金を支払わなければならない。

 こうしたシステムに疑問を持っても、自分の子どもだけが競技機会を失うことは避けたい。なかにはお金を払うことで、我が子が優位に立てるのなら、お安いものと考える保護者もいる。

 今年4月、ミシガン州司法長官室は、企業によるアイスリンクやユースホッケー・プログラムの集約をめぐり、反競争的行為や不公正な取引慣行の調査を始めた。つまり、州の反トラスト法に違反していないかを調べているということだ。9月には、保護者らがブラック・ベアを相手取り、指定ホテル制度の手数料やホテルからのリベートなどをめぐって、集団訴訟としての認定を求める訴えをデラウェア州の連邦裁判所に起こした。

 連邦議会では5月、民主党議員らが、PEファンドとその支配下の企業によるユーススポーツへの投資を原則禁止にする法案を提出した。指定ホテルへの宿泊、系列サービスの利用、隠れた追加料金などを参加条件とする行為も禁止対象に挙げている。ただし、成立の見込みは立っていない。

(谷口 輝世子 / Kiyoko Taniguchi)

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谷口 輝世子

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情を深く取材。近著に『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのか――米国発スポーツ・ペアレンティングのすすめ』(生活書院)ほか、『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』(生活書院)。分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店)。

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