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「選手たちを理解し、愛せるか」 J1指揮経験を持つ世界的名将が説く監督のあるべき姿

「何より選手たちを理解し、好きになること。選手たちを向上させるなら、愛する必要がある」――アーセン・ベンゲル

名将ベンゲルが説く監督の仕事とは…「選手の潜在能力を100%引き出すこと」

「何より選手たちを理解し、好きになること。選手たちを向上させるなら、愛する必要がある」――アーセン・ベンゲル

 スポーツに携わるというよりは、哲学者の趣きを保ち続けるアーセン・ベンゲルだが、実は物心がついてからサッカー一色に染まるような人生を歩んできた。

「私の家は、小さな村でカフェを経営していた。そこがみんなのサッカー談義の場所になっていたんだ。私自身、歩き出した頃から耳に入って来るのは、サッカーの話ばかりだった。学校に通うのは、言わば次の試合までの暇つぶしみたいなものでね。だから人生にサッカーしかないというのは当然だったんだ」

 ベンゲルに監督として最初の重要な一歩を踏み出すチャンスを与えたのは、UEFA前会長ミシェル・プラティニの父だったという。

「彼がフランスリーグ1部で指揮を執るチャンスをくれた。当時私は34歳、最年少監督だった」

 1995年に来日して低迷する名古屋グランパスを見事に立て直し、1996年10月からアーセナルで長期政権を敷くのは周知の通りだ。

「日本に来たのが大きな転機だった。文化的にも全く未体験の地で、孤独の中で自分の原点に戻り、やはりこの仕事が好きなんだと確認することができた」

 監督(指導者)が及ぼすチームや選手への影響力については、こんなことを語っていた。

「監督がチームの成績の何%に影響を及ぼすか、数字で示すことはできない。ただ一つ言えるのは、監督の仕事というのは、選手の潜在能力を100%引き出すことだ。つまりプレーヤーを進化させていく。だから悪いコーチがつけば、いくら優れた選手がいてもチームに良い結果はもたらされないだろうし、もし素晴らしいコーチがつけば、平凡な集団が結果を引き出すことがある」

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加部究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(ともにカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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