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かつては世界最強も…キューバは「いい環境がない」 日ハム助っ人の危機感「日本はより真剣」【プレミア12】

訪れた台北の名所、大谷と偶然の遭遇に驚き「いつか対戦したいね」

 マルティネスが野球選手として成長していった時期は、キューバが国際大会での成績を落としていった期間とも合致する。その原因はどこにあると見ているのだろうか。

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「やっぱり、国内リーグだろうね。20年前のような競争力のあるリーグではなくなっている。当時はキューバにいい選手が残っていたのに尽きるんじゃないかな。いい選手が日本に行ってプレーするくらいだった。今の僕みたいにね」

 社会主義国のキューバと米国の間には渡航制限があり、トップレベルの選手たちが大リーグでプレーするには亡命するしかない。時には命を賭してでも米球界を目指す選手が後を絶たない。その影響は国内球界の空洞化につながり、若い世代の育成にも影を落としているという。

「現在のキューバには、いい環境がない。特に地方では、プレーする環境が良くない。子どもたちが使うバットもボールも満足にないんだ。野球で収益を生む手段がないから」。代表チームが強くなるためにも、経済的な基盤は不可欠だ。今回の大会に参加した意味を「選手たちにとっては、ここに来れば国同士の戦いを経験し、いろんな技術を知ることができる。いいことだと思うよ。自分をプレーで表現できるのはいつだって楽しいことだからね」と語るマルティネスも、キューバ野球の現状には顔を曇らせる。

 台湾で偶然の遭遇があった。試合がなかった15日、台北を代表する超高層ビル「台北101」に行ったのだ。そこには大谷翔平投手(ドジャース)が大リーグ史上初の「50本塁打&50盗塁」を記録した際の記念ボールが展示されていた。

「知らなかったんだよ。ただ有名な場所だからと聞いて行ってみたんだけどね。そこに記念球があるなんてとても驚いた。日本人もボールを見るためにたくさんいたみたいだよ」と、日本最高の野球選手の影響力に驚く。「打っても投げても最高の選手なんて素晴らしいよ。100年に1人の選手だと思う。彼とは対戦したことはないけれど、いつか捕手として、打者として対戦してみたいとは思うね。とても楽しいんじゃないかな」。そんな夢を抱けるのも、国際大会があるからこそ。キューバの赤いユニホームを着て、大谷と相まみえる日を待っている。

(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)

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