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オリンピックの追加競技の歴史と深層 復活する野球、現状なら28年ロス五輪で完全に終わる可能性

追加競技は東京五輪から登場、公開競技との違いは?

 公開競技は大会の肥大化などの問題で92年バルセロナ大会を最後に廃止されたが、代わって20年東京大会から登場したのが追加競技だ。国別メダル数にカウントされるなど位置づけは正式競技に近いが「開催都市によるもの」は同じだ。

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 IOCは「開催都市提案の追加種目」として、複数競技の採用を認めている。東京大会の時は綱引きや相撲からトランプのブリッジまで26競技が申請。1次選考で8競技に絞られ、最終的に5競技が大会組織委員会からIOCに提案された。選考の経緯をみると、2種類のルートがあることが分かる。

 日本で盛んな野球・ソフトと空手は「開催都市」らしいが、サーフィン、スケートボード、スポーツクライミングはIOCの意向。前者は組織委や東京都などに積極的に働きかけ、アピールしていたが、他の3競技は国内で目立った動きはなし。日本サーフィン連盟の幹部は「国際サーフィン連盟とIOCの間で話はできていると聞いていたから」と明かした。

 スケートボードも同様だった。国際ローラースポーツ連盟(現ワールドスケート)が申請したのはローラーマラソンとインラインスケート。その後、IOCからそれまで管轄外だったスケートボードの統括を任され、追加申請したのが通った。若年層の五輪離れを危惧するIOCが、若者に人気のある競技を五輪に加えるために「お試し」で追加競技を利用したのだ。

 16年8月にリオデジャネイロで行われたIOC総会を前に、組織委が動いた。IOCの意向ではない野球・ソフトと空手の承認が微妙だったからだ。個別に採決するのではなく、一括での採決をIOC側に要求。これが認められて5競技が一括承認された。組織委の幹部は「一括でなければ野球は入らなかったかも」と胸をなでおろしていた。

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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