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カズが語る「アンチ論」 支持と嫌悪を超越した“50歳Jリーガー”の奇跡

カズの“アンチ論”、「みんなに好かれたらトップを張っていけない」

「嫌われるのは、期待の大きさの裏返し。でもこうして支持されているというのは、ボクがやって来たことが間違っていなかったということだと思います。ボクにゴールがないことは批判出来ても、ボクがサッカーを極めようとしていることは誰も批判できませんから」

 そう言って「でも」と続けるのだ。

「アンチがいないのは、あまり良くない。本当の人気者はアンチがつきものですから。みんなに好かれてしまったらトップを張っていけない。だけどそれも超越すると、アンチもいなくなるのかな……」

 カズより8歳上のボクは、50歳でプロのピッチに立つことの凄さを想像してみる。10歳代、20歳代の連中が、50歳代の衰えを気遣うことはない。いざとなったらスピードで勝てるとタカを括って、平然とボールをさらしてくる。それでも草サッカーの現場なら、多少の気配りや手加減があるが、プロとなるとそうはいかない。

 たぶん50歳のカズは、瞬発力勝負をしたら5メートル勝負でも置き去りにされるはずだ。この猛烈なハンディの中でゴールを奪う。それは実体験と照らし合わせても、奇跡と呼ぶしかない。尊敬を集めるのは必然なのだと思う。

【了】

加部究●文 text by Kiwamu Kabe



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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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