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夢はカエル界のさかなクン ボクサー引退の入江聖奈、研究者でも貫く「謙虚に」の精神

現役最終戦に完勝した入江(左)【写真:浜田洋平】
現役最終戦に完勝した入江(左)【写真:浜田洋平】

「二足の草鞋ができるほど甘くない。極めるなら何か捨てないと」

 東京五輪後は日本女子初の金メダルの快挙に加え、明るいキャラクターでテレビ番組などに多く出演。ツイッターのフォロワーは3万人を超える。アマチュアボクサーでは異例の数だ。

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「やっぱり発信しないと伝わらない。みんながみんな生き物に興味があるわけではないですし」。独特のキャラクターと抜群の知名度を誇る魚類学者・さかなクンを引き合いに出した。

「私が口に出すのはおこがましいかもしれないけど、さかなクンさんとか凄いじゃないですか。やっぱりああいう発信力のある方がボクシング界でも、カエル界でも絶対に大切になる。金メダルでスポットライトを当てていただいたので、自分の強みだと思って活用していきたいと思っております」

 東京五輪後、一時は現役続行に「10%くらい」と気持ちが傾いた。しかし、年明け以降、日が経つにつれて決意が固まった。まだ22歳。慰留の声もある。将来的な現役復帰の可能性についても、「絶対ないです」と即答で完全否定した。

「ボクシングも、研究も、二足の草鞋でどっちも自分の希望する未来を歩めるほど甘くない。極めようとするなら、やっぱり何か捨てないといけないと思う。ボクシングはしっかり自分の計画通りの目標を達成できた。次はカエルの道にいきたい。私は器用じゃないと重々承知しておりますので、不器用だからこそ一本で勝負しようと思いました。生半可な気持ちで辞めるわけじゃないです」

 今年9月に大学院合格を果たしたのも、強い気持ちで猛勉強したからだった。「ボクシングは大好きなので」と、解説や普及活動などのオファーがあれば受ける方針だ。

 今大会の一般客は入場無料。「現役・入江聖奈」はサインや記念撮影を多く求められた。一つひとつ丁寧に応じた五輪女王。会見場を出る際にはくるりと振り返り、いつも通りペコペコと会釈した。

「失礼します。ありがとうございました」

 不器用を感じさせないほど、大きな努力を重ねられる最強のカエル人。将来、謙虚なカエル学者として、さかなクンのようなブレークを果たす日がくるかもしれない。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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