箱根路の行方も占う“日本一決定戦” 全日本大学駅伝、駒大&青学大の“2強”追うのは?
大学駅伝の2戦目、第54回全日本大学駅伝が11月6日に開催される。コースは全8区間、106.8キロ。後半の7区(17.6キロ)、8区(19.7キロ)がロング区間になり、この2区間は箱根駅伝に近い距離になる。
大会2連覇中の駒澤大、10月の出雲駅伝も制した優勝候補筆頭
大学駅伝の2戦目、第54回全日本大学駅伝が11月6日に開催される。コースは全8区間、106.8キロ。後半の7区(17.6キロ)、8区(19.7キロ)がロング区間になり、この2区間は箱根駅伝に近い距離になる。
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勝敗を左右するのは、今回もやはり7区、8区になるだろう。
2018年大会は青山学院大と東海大の一騎打ちとなった。2区から6区までトップを維持した東海大だったが、7区で青山学院大の森田歩希(現・GMOアスリーツ)が東海大の湊谷春紀(現・NTT西日本)をとらえて逃げ切った。2019年大会は8区で先行する青山学院大の飯田貴之(現・富士通)に東海大の名取燎太(現・コニカミノルタ)が追いつき、逆転した。2020年大会は8区で先行する青山学院大の吉田圭太(現・住友電工)に駒澤大の田澤廉、東海大の名取が追いつき、ラスト1キロで田澤がスパートして区間賞の走りで優勝した。2021年大会もアンカー勝負となり、駒澤大の花尾恭輔が青山学院大の飯田に一度追いつかれたもののラスト2キロで突き放した。
このように、全日本大学駅伝は毎年のように7区、8区で勝負がつく展開になっている。
もっとも、これ以前の特に前半3区間で大幅に出遅れてしまうと、中盤以降は苦しい展開になる。前半で上位集団につき、中盤は耐えて、ラストの2区間で勝負という展開は、今年も変わらないだろう。そういう意味では、平均的に高いレベルの選手が揃っている、いわゆる選手層の分厚いチームが有利になる。スピードスターを保持すれば優位に展開できる出雲駅伝とは、そこが大きく違う点でもある。
もちろん、ラスト2区間で展開をガラリと変えられる“大砲”の存在も極めて重要なポイントになる。そこに勝負を決められる選手を置けるチームが最終的に勝ち名乗りを挙げているからだ。この選手層、大砲の存在という観点からチームを見ていくと、2チームの姿が浮かび上がってくる。
まずは、10月の出雲駅伝を制した駒澤大だ。
出雲駅伝では6区間中3区間で区間賞、残りの3区間も2位と、ほぼ完璧な内容でレースを制した。1区の花尾恭輔(3年)は抜群の安定感を誇り、ルーキーの佐藤圭汰(1年)は2区区間賞の走りで駅伝デビューを果たした。田澤廉(4年)は直前に体調を崩し万全ではなかったが、それでも区間2位。自らエース区間でもある3区を志望した心意気からも、最終学年として3冠に並々ならぬ決意を見せている。4区は主将の山野力(4年)が区間2位でつなぎ、5区の安原太陽(3年)は前回箱根3区16位の悔しさを晴らす区間賞でトップをキープ。そして鈴木芽吹(3年)が完全復帰し、“駒大3トップ”のうち2人がレースを駆けて優勝した。