伊藤美誠と双璧をなす早田ひな 東京五輪落選から世界5位に、その裏にある強烈な探求心【世界卓球】
目標設定にも工夫「東京五輪から全ての技術が変わっている」
いきなり24年パリ五輪を見ているわけではない。卓球は各大会にはポイントが定められ、五輪選考レースに繋がっていく。練習でやったことを“試す”大会はなく、どれも大事。大会ごとに「これをできるようになっておこう」と目標設定を工夫し、一つひとつ階段を上ってきた。その先に五輪がある。
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「これができるようになったら、もうちょっと変わりそうだなぁ」「誰とどれくらい競れるようになるんやろ」
そんな成長をイメージするのが日課。中でも練習で大切するのが「同じ反省を繰り返さない」ことだ。
「今は体や癖を治す部分が多いけど、それが変わるだけでも卓球自体が変わってくる。その反省を絶対に繰り返さないように、その日のうちに岡先生(トレーナー)とかと話し合って、次の課題に取り組んでいく。試合の結果よりも、自分ができるようになりたいという気持ちが強いです。
練習ではその時できなくてもめげずに頑張っています。(東京五輪から)全ての技術が変わっているかなって。基本のバックハンド、フォアハンド、ブロックも全部が変わっている。それを少しずついい方向に変えていくのが今の課題。次の試合に間に合わせるために、何かを変えて次の試合に臨む。それが一つずつ経験になって、最終的に自分が一番力を出したいところで120%の力が出せたらいいなと思っています」
小さい頃から怖いもの知らずだった。2、3歳の時、浮き輪をつけて遊んでいたプールでのこと。足がつかないのに「浮き輪を外して」と母親に求めた。もちろん止められたが、休憩でプールサイドに上がった後、誰も見ていないところで飛び込もうとした。「ブワーって走って飛び込もうとしていたらしいです」。当時と性格は変わらない。
普段、全く飲酒しないが、成人後に初めてビールを飲んだ時もそうだった。
「最初はお父さんと飲んだ方がいいと思って、初ビールで乾杯しました。ビールを飲むイメージって、お父さんが飲むイメージしかない。ブワーっていくじゃないですか。私も同じようにしたら、お母さんに『何やってんの!』って全力で止められて。隣で大焦り。『こうやって飲むもんじゃないの?』って。世間ではそれが普通だと思っていました。それが初ビールの思い出」