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選手が「燃え尽きない」部活の姿 「スポーツが楽しいと知らずに辞めるのは可哀想」

選手主体のボトムアップ方式は「放任」との誤解を招く危険性もある。結果を求める父兄から、時には「もっと教えて欲しい」という声も漏れ伝わってくる。

円陣時にボードを持ち説明するリーダー【写真:加部究】
円陣時にボードを持ち説明するリーダー【写真:加部究】

【短期連載第3回】堀越高校サッカー部「ボトムアップ方式」への挑戦――「放任」とは異なる両者の絶妙な距離感

第1回はこちら

 選手主体のボトムアップ方式は「放任」との誤解を招く危険性もある。結果を求める父兄から、時には「もっと教えて欲しい」という声も漏れ伝わってくる。

 現在、堀越高校サッカー部のスタッフは8人。しかしスタッフも選手に負けないくらいに活発な意見交換を行い、常に選手たちが困った時には手を差し伸べる準備を進めている。逆に選手たちの方も、局面に応じて必要なスタッフに手助けを求めてくる。

 監督の佐藤実(まこと)が語る。

「選手たちが、今、何を欲しているのかを、しっかり見てあげる。それを把握した上で、スタッフは正しい方向に導けるように問いかけをしていきます。ただし投げかける言葉とタイミングは、しっかり考えるようにしています。普段からガミガミ言わないだけに、一言が必要以上に浸透してしまう。

 一方で先日は、守備ができていないと感じた選手たちが、蔵田茂樹(プロとしてセレッソ大阪などで10年間のキャリアを持つ元ディフェンダー)コーチに指導をお願いしていました。また堀越は水曜日がオフなんですが、ゴールデンウィーク中には試合が迫っていたこともあり、選手たちが希望して練習をしました。明確な目的があるから練習をする。この日、僕は不在だったのですが、選手たちの思いを察してあげられなかったことに気づき、ハッとさせられ自己反省しました」

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近東京五輪からプラチナ世代まで約半世紀の歴史群像劇49編を収めた『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』(カンゼン)を上梓。『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(ともにカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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