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ラグビー新リーグの最強軍団、埼玉ワイルドナイツ 坂手淳史主将が語る初代王者への戦略

充実の新拠点、常に“見られる環境”を歓迎

 チーム運営のトップに立つ飯島均GMは「TL最後と、リーグワン最初の王者になる資格があるのはウチだけ」と初代王者への並々ならない意欲を見せるが、チームの強化段階はどこまで進んでいるのだろうか。
坂手主将が最も力を込めて語ったのは、主力以外のメンバーの成長だ。チームからは10人の選手が日本代表入りして、9月から2か月以上チームを離れたが、その期間に若手メンバーらが経験値を上げていることは、チームに戻って強く感じている。

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「選手層の厚みは、今年は特にすごくあると思う。例年以上にプレシーズンでプレーした選手の調子がいい。若手のゲーム理解度が高くなっているし、試合へ全員がいい準備ができている。試合を見ると分かるのですが、全員のクオリティーが高くなっているので、チームとしてレベルが上がっている。そこにたくさんの(日本代表、外国人)選手が帰ってきたので、それを合わせるとさらに強くなる可能性を感じるので、楽しみです」

 万全の準備を進めるチームを支えているのが、今年8月に群馬県太田市から移転して運用を開始した熊谷のグラウンド、クラブハウスなどの新拠点だ。県営ながらホストスタジアムとなる熊谷ラグビー場に隣接して、30000平方メートルの敷地面積の中に芝生のグラウンドとクラブハウス、屋内練習場や、別経営ながらホテルやカフェが造られた。公共の公園の中に造られた性格上、一般人やファンも間近で練習する選手の姿を見ることができる。

 他のチームならあり得ない環境だが、坂手主将は「練習もお客さんに見てもらえると気合も入りますし、楽しいですね。いい環境だとつくづく感じています。公園なので、散歩している方が見てくれたりしている。初めてラグビーを見る方もいると思うので、そこからチームを好きになってくれたり、また足を運んでくれる回数が増えたりすれば嬉しいですね」と、ファン以外とも接点を持てる、常に“見られる環境”もチームのプラス材料と捉えている。

 クラブハウス内のウエートトレーニング場についても、「以前のジムも狭くはなかったですが、チーム全員でやるには少し手狭だった。今回はたくさんの人数でできるので、ワンクッション、ツークッション入れていたのが1回で一気にできる。全体の流れが良くなってきている」と効率的なジムワークが可能になったことも、チーム強化を後押しする。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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