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ラグビー新リーグの最強軍団、埼玉ワイルドナイツ 坂手淳史主将が語る初代王者への戦略

1部リーグのチーム数減で競技レベル向上、接戦が増えるか

 新たな挑戦という思いが強い一方で、ラグビーの試合で勝つという目標は普遍的だ。「今までから継続している形もたくさんある。シーズンのタイミングも、昨季(TL)から変わらない。そのへんはあまり違いがないけれど、ただ初代王者を狙うというところに関しては、皆すごく意識していると思う。すべてのチームが同じはず。そこを獲れるのは1チームだけですから。1試合1試合勝てれば、そこが見えてくるかなと思います」と、優勝への強い意識がコメントにも滲む。

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 埼玉が臨むディビジョン1は12チームを2つのグループ(カンファレンス)に分けてリーグ戦が行われる。カンファレンス内の5チームとホスト&ビジターで計2試合、そして別カンファレンスチームとは1試合を行い、各カンファレンス2位までがプレーオフトーナメントに進み優勝を争う。頂点までの試合数は18となり、前身のTL(昨季は11試合)より試合増になるが、坂手主将は「たくさん試合ができて楽しみです。いいゲームをいっぱいして、たくさんの方に見てもらって、ラグビーの良さを感じていただければいい」と、ラグビーの発信材料の増加と捉えている。

 試合数の増加による選手の消耗や負担についても不安はない。

「どのチームもローテーションがすごく大事になるので、層の厚さが今季はすごく重要になる。でも、それは僕自身もチームにしっかり伝えています。誰一人欠けたらダメで、全員でシーズンを戦えるようにとずっと言っています。そこで一つになったチームが強いと思います」

 リーグワンの新たな取り組みの一つが、先にも触れたホスト&ビジターの導入だ。従来のTLでは、企業チームという性格もあり地域に密着したクラブという意識、チーム運営は薄かった。だが、新リーグの理念では、地域と密接に連携した運営をチームに求め、その一環が「ホスト」と呼ぶ地元スタジアムでの試合開催だ。この新たな取り組みも、坂手主将は歓迎する。

「楽しみですね。僕らはホストの熊谷で、地元の方々に見てもらえるチャンスがあるし、ビジターとして敵地に行っても試合をするのも楽しみです。また、昨季まではカンファレンス内の試合だけだったが、全チームとシーズン中に戦えるのも嬉しい」

 1部リーグに相当するディビジョン1の参加チーム数は、昨季までのTLの16から4減となった。このチーム数の縮小は、新リーグ構想の早い段階で複数チームからも要望のあった、高いレベルの試合を増やしたいという声が反映されている。より実力の拮抗した相手との試合を増やすことで、チーム、選手の競技力を高めることが、リーグ自体、そして日本代表の強化にも欠かせないという判断が、12という参加数になった。選手にとっては、接戦、厳しい試合が増えることが予想されるが、坂手主将は「接戦は多くなると思います。僕たちの対策としては、毎回1点でも多く得点して、1点でも失点を押さえる。そこだけだと思うので、そんな考え方、戦い方を積み重ねていきたい。1点でも勝てばいいので、勝ち点を積み重ねていきたい」と、勝ち点4を確実に取って新リーグを勝ちきる戦略で挑む。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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