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ソフトバンクで働きながら戦うパラアスリート太田渉子があえて厳しい道を歩むワケ

太田にとって競技と仕事の両立は「日常」【写真:長谷川明】
太田にとって競技と仕事の両立は「日常」【写真:長谷川明】

覚悟が必要だった競技者への復帰 競技と仕事の両立は「日常」

 2015年に“趣味”として始めたテコンドーだったが、翌年に出場した国際試合で、不本意な形で「転向」というニュース記事になってしまった。本格的に現役復帰をするには相当の覚悟が必要と知っているからこそ「競技者として出ているわけではない」と反発した太田は2年ほど試合から遠ざかった。しかし、2018年1月、太田は覚悟を決めた。

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「少し声をかけて、体験会など全日本テコンドー協会にご協力いただいいて女子選手同士のつながりもできた。それで2018年に初めて国内で全日本テコンドー選手権大会の開催が決まり、誘ってもらったことがきっかけです。女子の部で出場する選手がいなかったこともあり、競技者として自分が出場し、パラテコンドーを盛り上げようとまた始めることになりました」

 一度は「やり切った」と退いた競技者生活。復帰を決断することは容易ではなかったはず。そう訊ねると、「そうですね、最初は覚悟がいりましたね」と本音がこぼれた。

「スキーで競技人生をやり切ったと思って引退しているので、体力面でも精神面でも少なからず不安もありましたし、また合宿漬けの生活が始まると思うとなかなか踏み出せないこともありました。ただ、自分の国で五輪とパラリンピックがあるのは人生でそうないことだなと思ったんです。時間的にも体力的にも、まだできるチャンスがあると思ったので、どこまでいけるか分からないけど、もう一度挑戦してみようと思って始めました」

 2018年、競技者として復帰すると同時にソフトバンクに入社した。それまでも一般企業で採用や教育、総務といった人事系の仕事を担当していたが、ソフトバンク入社後は社会貢献を行うCSRの部署でパラスポーツの普及やスポーツにかかわる仕事をしているという。競技と仕事、両立は大変ではないのだろうか。

「大会や合宿は仕事の一環として行かせてもらっているのですが、普段は朝9時から夕方の4時過ぎぐらいまで仕事をして、その後、月水金土でテコンドーの練習を行い、他の日は体のケアやフィジカルトレーニング、陸上のトレーニングを行っています。週5、6で何かしらのトレーニングを行っていますね」

 聞いているだけで大変そうだが、「ハードですね」と訊ねると、太田は「ハハハ」と笑い、「これが日常」だと続けた。

「会社にいるときは目標を持って仕事に取り組んでいるので、私のなかではいい感じで息抜きできているというか、オンとオフをうまく切り替えられている時間だと感じています。もともとスキーをやっていたときも日中は仕事をしていて、その後トレーニングを行っていたので、それがルーティーンになっているんです。もっと遡れば、小さい頃から日中は学校に通って、夕方に部活をして、家に帰ってから今度はスポーツ少年団に通う生活を送っていたので、ある意味、習慣化されている感じですね(苦笑)」

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