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米国の大学スポーツの闇 名門校で起きた「替え玉受験と賄賂」不正入学のからくりとは

「THE ANSWER」がお届けする、在米スポーツジャーナリスト・谷口輝世子氏の連載「Sports From USA」。米国ならではのスポーツ文化を紹介し、日本のスポーツの未来を考える上で新たな視点を探る。今回は「大学スポーツの不正入学の実態」。

今回のテーマは「大学スポーツの不正入学の実態」(写真はイメージです)【写真:Getty Images】
今回のテーマは「大学スポーツの不正入学の実態」(写真はイメージです)【写真:Getty Images】

連載「Sports From USA」―今回は「大学スポーツの不正入学の実態」

「THE ANSWER」がお届けする、在米スポーツジャーナリスト・谷口輝世子氏の連載「Sports From USA」。米国ならではのスポーツ文化を紹介し、日本のスポーツの未来を考える上で新たな視点を探る。今回は「大学スポーツの不正入学の実態」。

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 2019年3月、米国で名門大学を舞台にした不正入学が明るみになった。
 
 この事件は捜査当局から「オペレーション・バーシティー・ブルース」と名づけられ、不正入学を仲介した主犯者や、保護者ら50人以上が訴追される一大スキャンダルとなった。この春、ネットフリックスが「オペレーション・バーシティー・ブルース」というタイトルで映像化した。事件の概要はすでに繰り返し報道されているが、この映像は、捜査当局が抑えている実際の会話の再現ドラマと関係者の証言で構成されており、興味のある方にはおすすめのドキュメントだ。

 米国では、富裕層の保護者が、大学に大金を寄付することで、子どもの合格をアシストしようとすることは違法ではない。これは、賄賂ではないから、確実に合格を勝ち取れる方法ではなく、もしかしたら、入学選考で配慮されるかもしれないという話のようだ。筆者も「母校の名門大学にミリオン(億円)単位の寄付をしたが、息子さんは合格できなかったらしい」という噂話は聞いたことがある。

 しかし、このスキャンダルの主犯であるリック・シンガーは、お金を積んで確実に名門大学入学を勝ち取る術を知っていた。その手口は、2つの手法を組み合わせたものである。大学入学に必要な学力試験「SAT」や「ACT」の替え玉受験と、大学運動部コーチに賄賂をおくり、一般生徒をアスリートと偽って運動部の推薦枠をもらうことだ。

 これは、米国の大学選考の闇を反映した事件と言われるが、米国の大学スポーツの闇であるとも言えるだろう。

 大学入学者を学力で選抜するシステムの国ならば、替え玉受験による不正は、その多くが一度は経験している。しかし、優れたアスリートと偽って名門大学の入学を不正に勝ち取るというのは、大学スポーツが盛んなアメリカならでは、という気がしないでもない。

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谷口 輝世子

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情を深く取材。近著に『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのか――米国発スポーツ・ペアレンティングのすすめ』(生活書院)ほか、『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』(生活書院)。分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店)。

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