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【One Rugbyの絆】 何歳になっても目指せる世界一 タグフットボールが持つ「生涯スポーツ」としての可能性

タックルの代わりに腰につけた2本のタグを取り合う【写真提供:JTFA】
タックルの代わりに腰につけた2本のタグを取り合う【写真提供:JTFA】

「足が遅くてラグビーを諦めたという子が、誰よりも活躍して貢献することも」

 冬はラグビー、夏はタグフットボールを楽しむ生活を続けた岡村さんは、2005年に帰国すると日本でタグフットボールの楽しさを伝える活動を始めた。2013年にはNPO法人日本タグフットボール協会を立ち上げ、代表に就任。2016年からは淡路島で全国大会を開催している。全国大会には約200人の参加者が集い、国内の競技人口は推定1000人にも上る。だが、「どうしても子どものスポーツというイメージがあるのか、なかなか普及できていないのが正直なところです」と明かす。

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 タグフットボールの魅力はどこにあるのか。岡村さんは「本当に15人制のラグビーに近くて、遊びだけではなく真剣勝負も楽しめるところです」と話す。

「ボールやルールが同じだけではなく、本当にスキルフルな競技で、キックも使えるし、コンビネーションプレーもできる。昔、本気でラグビーをしていた人は、当時を思い出すようなラグビーができるんです。一方で、ラグビーをしたいけどタックルが怖いとか、一歩踏み出せないジュニア世代には、ラグビーを始める導入部分にしてもらえればいい。そこで好きになったら、本格的に15人制に移ってもらう形でもいいと思います。

 もちろん、タグフットボールにはタグを取るという独自のスキルも必要です。でも、実は足が速い子でもタグを取るのが苦手な子はいて、いつまでたっても取れない子は取れない。逆に足が遅くてもディフェンス面で活躍して、タグを上手く取る子もいる。足が遅くてラグビーを諦めたという子が、タグフットボールでは誰よりも活躍してチームに貢献することもあるので、新たな気付きも多いんです」

 また、コンタクトのないタグフットボールは、ラグビー離れを食い止める一つの解決策になるのではないか、と岡村さんは考えている。

「タグラグビーは小学生が一つの区切りになっているので、本当にタグラグビーが好きな子が中学生になって続ける場所がなくなってしまうことが多いんですね。そういう子どもたちにタグフットボールに参加してもらってスキルアップを図り、高校生になったらラグビー部に入ってもらえたら。私の生まれた大阪では小学校からフルコンタクトのチームがあって、クラブ活動としてラグビーがある中学もありますが、隣の兵庫県の中学にはほとんどありません。ここでラグビー離れが起きてしまう。タグフットボールはそれを繋ぎ止める一つの道になるのかなと。

 また、15人制ラグビーでは、足は動くけれど首を怪我したからコンタクトプレーができず、引退しなければならないという方もいます。そういう方にタグフットボールを選択してもらえるような循環が生まれたらいいなと思います」

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