【One Rugbyの絆】ラグビーは15人制だけじゃない 廣瀬俊朗が設立、「One Rugby」で世に伝えたいこと
人と人とを繋ぐラグビーの力「全然知らなかった人たちが集まっているとは…」
「ラグビー」には、人と人とを繋ぐ不思議なパワーがある。廣瀬さんは「ネットワークの強さや絆の強さはすごい」と胸を張るが、「One Rugby」で初めてミーティングを開いた時も「全然知らなかった人たちが集まっているとは思えない感じでした。建設的に話し合いが進められるので、すごく助かっています」という。
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15人制とセブンズの代表として参加する廣瀬さんのほか、車いす、10人制、タグフット、タッチ、ビーチ、ブラインド、デフから代表者が参加。まずは、それぞれのラグビーの社会的認知度を上げるために、横の繋がりを強化することで意見は一致した。広くラグビーの魅力を知ってもらえれば、どのラグビーをプレーしても構わないし、掛け持ちも大歓迎。全員の想いは「とにかくラグビーを盛り上げたい」。なぜそこまでラグビーにハマるのだろうか。
「15人制で言えば、足が速くなくても体が大きかったり、体が小さくても足が速かったり、誰でも活躍できるポジションがあるのが、やっぱりいいなと思います。僕はFWのポジションは絶対にできませんし(笑)。いろいろな専門性のある人、いろいろな国籍の人がチームのために頑張って、いいラグビーができる。中にいる僕らにはとっては当然のことなんですけど、社会と比較してみると、まだまだ分断されている部分も多い中で、ラグビーを通して伝えられること、広められる価値があるように思います」
その価値に多くの人が触れたのが、昨年のW杯だ。多様性のある選手たちが、試合が終われば敵味方関係なく称え合う。その光景に感動を覚えた人は少なくない。だが、この精神が15人制に限らず全てのラグビーに共通することは、まだあまり知られていない。
W杯を通じて子どもたちにも認知度が高まったラグビーだが、タックルなど激しいぶつかりあいのイメージが先行しがちだ。だが、タグフットボールやタッチラグビー、ビーチラグビーには激しいコンタクトはなく、子どもから高齢者まで幅広く楽しむことができる。また、女子も十分に個性を生かせるため、男女混合チームも多い。ラグビーに興味を持っても、コンタクトプレーの多さに二の足を踏む人も多い中、「まず、コンタクトのないラグビーから始めてもらえれば」と、廣瀬さんは話す。
「タックルのないラグビーで、みんなでボールを前に運ぶ面白さを知ってもらい、より本格的にやりたいと思ったら、コンタクトのあるラグビーに移ればいい。そのままコンタクトがない方がいいなら、タッチやタグフット、ビーチを続けてもらえれば。コンタクトがないので女子にも垣根が低くなる。どうしてもラグビーは男子のスポーツというイメージが強いので、女子ラグビーの発展にも欠かせない役割を持っていると思います」