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休校中の米国で進むオンライン授業 「バーチャル休み時間」で家庭学習は乗り切れるか

学校に十分な休み時間がないなど、背景には米国ならではの問題も

 素晴らしいことである。素晴らしいことではあるが、この背景には、米国の学校には十分な休み時間がないこと、子どもたちが体を動かして遊ぶ機会が少ないこと、特に低所得世帯の子どもが多い地域の公教育では、子どもたちの休み時間を見守る人がいないこと、などの問題がある。そういった問題を改善するべくPLAYWORKSがあるともいえる。このオンラインの休み時間も、インターネット環境のない子どもには届けられないというジレンマもあることだろう。

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 PLAYWORKSミシガンのアンジェラ・ローゲンスーズさんによると、同団体が休校措置を受けて新たに設けたホームページPLAYATHOMEは、すでに4200万のデジタルインプレッションがあったという。私のメール取材に対し、アンジェラさんは「我々は、この前例のない状況下で子どもたちを活動的にし、夢中にさせるための助けを求める人たち、教育者、保護者などから、大きな支援を受けています」と手応えを得ている様子だった。

 ここからは、余談だが、私はPLAYWORKSを取材するために、ホームページから取材依頼のメールを送った。自己紹介として日本のメディア向けの記事を書いていること、ミシガン州に住んでいることを書き加えた。そうすると、同じミシガン州に住むアンジェラさんにメールが転送され、取材をすることができた。休校措置が解消され、これまでのように人と会えるようになったら、私はアンジェラさんに会いにいける。この1か月、リアルで行ってきたことをバーチャルで代替していたが、バーチャルでのつながりが、リアルに転換できるかもしれない。

 オンラインの休み時間を楽しんだ子どもたちも、いくつもの遊びをストックし、早く友達と遊べるようにと願う。

(谷口 輝世子 / Kiyoko Taniguchi)

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谷口 輝世子

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情を深く取材。近著に『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのか――米国発スポーツ・ペアレンティングのすすめ』(生活書院)ほか、『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』(生活書院)。分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店)。

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