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日本のスポーツ界が「なかなか変わらない」理由 未来を見据えた育成環境の重要性

日本のスポーツ界とは今後どうあるべきだろう。変化を求め、そのために動いている人はどんどん増えてきている。それは確かだ。ではそれが大きなうねりとなっているかというと、まだそこまでの動きにはなっていない。Jリーグのジェフユナイテッド千葉、京都サンガF.C.で育成部長などを歴任し、サッカー育成指導者として幅広く活動している池上正さんが先日、こんなことを話していた。

日本のスポーツ界が「なかなか変わらない」理由とは
日本のスポーツ界が「なかなか変わらない」理由とは

【ドイツ在住日本人コーチの「サッカーと子育て論」】情報を得るアンテナの精度を高める大切さ

 日本のスポーツ界とは今後どうあるべきだろう。変化を求め、そのために動いている人はどんどん増えてきている。それは確かだ。ではそれが大きなうねりとなっているかというと、まだそこまでの動きにはなっていない。Jリーグのジェフユナイテッド千葉、京都サンガF.C.で育成部長などを歴任し、サッカー育成指導者として幅広く活動している池上正さんが先日、こんなことを話していた。

「私はサッカーだけではなく、他のスポーツの指導者講習会に呼ばれることもあります。講演をした時に、『頭ごなしに怒鳴りつけるのではなく、子供たちに問いかけて子供たちの中から答えを見出していきましょう』というような話をさせてもらったのですが、元代表選手が私のところに来られて『本当に私もそういう取り組みをやりたい!』とおっしゃってくれたんですね。その方だけではなくて、いろいろなスポーツでもっといい環境にしたいという活動をされている方がいます。これはとても素敵なことですよね。ただ、スポーツ界全体はなかなか変わらない。不思議ですよね」

 世界の現場情勢に関する情報は、いろいろなツールで日本にいながら知ることができる時代。でもそれを見て、本気で危機感を抱いて、やるべきことを模索していかないと情報は目の前を通り過ぎていくだけだ。

 筆者の指導者仲間であり、プロフットサル指導者の中嶋孝行さんが、トレーニング中に子供たちに次のような興味深いことを語っていたことがある。

「例えば、君たちもSNSをするだろう? フォロー数が増えてくると、自分のタイムラインに上がってくる情報はどんどん増えてきてしまうよね。全部の情報を拾うことはできなくなる。

 その中で流れてくるはずの本当に必要で大事な情報にアンテナを張っていないと、それはただ素通りしていくだけだよ。プレーに関してもそうだ。なんとなくするのではなく、自分にとってどんな情報があるのかに気を配れるようになると、もっと良くなると思うんだ」

 アンテナを張ることの大切さはみんな口にするが、アンテナの精度を高めておかないと、そこから入ってくる情報は玉石混交。遠い別世界の話としてしか見てなかったら、正しい情報を取り入れることはできない。

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中野 吉之伴

1977年生まれ。ドイツサッカー連盟公認A級ライセンスを保持する現役育成指導者。ドイツでの指導歴は20年以上。SCフライブルクU-15チームで研鑽を積み、現在は元ブンデスリーガクラブであるフライブルガーFCのU12監督と地元町クラブのSVホッホドルフU19監督を兼任する。執筆では現場での経験を生かした論理的分析が得意で、特に育成・グラスルーツサッカーのスペシャリスト。著書に『サッカー年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)、『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)がある。WEBマガジン「フッスバルラボ」主筆・運営。

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