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1分30秒差で箱根5区なら「往路優勝も見える」 創価大監督、異例編入の3年吉田響に絶大な信頼

往路優勝に燃える選手たち「1区2区3区が勝負」

――箱根駅伝で目標の3位以内を達成する上で、レースのポイントはどこになると考えていますか。

「往路の最初、1区2区3区ですね。そこが勝負だと思っているので、うちはそこを含めて往路に調子の良い選手を投入していきたいと思っています。それが可能なのは、響が5区にいてくれるからです。今年のチーム戦略として4区が終わった時点で、どのくらい上位に喰らいついているか。響に1分から1分30秒以内に襷を渡すことができれば、往路優勝も見えてくる。

 チームの目標は総合3位以内ですが、選手たちは響が山にいるので、往路優勝したいと強く思っていますからね。私は一度も往路優勝なんて言葉を口に出したことはないのですが、それが選手から自然と出てきて、みんな燃えているので、選手たちの気持ちを尊重したいと思っています」

――往路では駒澤大や青学大などと、優勝を争いそうですね。

「戦力的に言うと、駒澤大が最強です。でも、そんな駒澤大を少しでも慌てさせられるような、うちらしい走りをすれば、何かしら彼らのミスを誘発するようなことができるのかもしれません。そういう走りをして、3年前に準優勝した時のような波乱を起こせれば面白いですね。

 創価大は、出雲、全日本でも感じましたが、まだまだ注目度が低い。これからはダークホースではなく、優勝争いの本命として名前を挙げられるようなチームにしていきたいです。そういう意味では今年、箱根で3位以内を実現し、“ダブル吉田”が最上級生になった来シーズン、優勝をチームの目標として発信できるようにしていければと思っています」

(佐藤 俊 / Shun Sato)

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榎木 和貴

創価大 陸上競技部 駅伝部監督 
1974年6月7日生まれ、宮崎県出身。現役時代は箱根駅伝で史上7人目となる4年連続区間賞獲得など、中央大の主力として活躍。3年時の96年大会では4区を走り、32年ぶり14回目の総合優勝に貢献した。卒業後は旭化成に進み、2000年の別府大分毎日マラソンでは2時間10分44秒で優勝。その後は負傷にも苦しみながら沖電気、トヨタ紡織で指導者としての実績も積み上げると、19年に創価大駅伝部の監督に就任した。21年の箱根駅伝で往路優勝、総合2位とチームを過去最高成績へと押し上げる。今季も出雲駅伝2位、全日本大学駅伝6位と上位争いを演じている。

佐藤 俊

1963年生まれ。青山学院大学経営学部を卒業後、出版社勤務を経て1993年にフリーランスとして独立。W杯や五輪を現地取材するなどサッカーを中心に追いながら、大学駅伝などの陸上競技や卓球、伝統芸能まで幅広く執筆する。『箱根0区を駆ける者たち』(幻冬舎)、『学ぶ人 宮本恒靖』(文藝春秋)、『越境フットボーラー』(角川書店)、『箱根奪取』(集英社)など著書多数。2019年からは自ら本格的にマラソンを始め、記録更新を追い求めている。

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