「20人集まれば4~5人やりたがる」 子供がGKに憧れる“先進国”オランダと日本の違い
「オランダでは子供たちが20人くらい集まれば、必ず4~5人はGKをやりたがる。ブラジルじゃ、ありえないよね」――ハーフナー・ディド(元マツダ、名古屋グランパスエイトほか) オランダは伝統的に足もとの上手いGKを輩出してきた。今ではGKがビルドアップに加わるのは当たり前だが、時代を先駆けていたという見方もできる。
オランダ出身のディドが語る祖国の事情「20人集まれば4~5人はGKをやりたがる」
「オランダでは子供たちが20人くらい集まれば、必ず4~5人はGKをやりたがる。ブラジルじゃ、ありえないよね」――ハーフナー・ディド(元マツダ、名古屋グランパスエイトほか)
オランダは伝統的に足もとの上手いGKを輩出してきた。今ではGKがビルドアップに加わるのは当たり前だが、時代を先駆けていたという見方もできる。
「21世紀に入っても、ジャンルイジ・ブッフォンやオリバー・カーンなど大半の世界的なGKはキックが不安定だった。でもオランダは、エドウィン・ファン・デルサールに象徴されるようにボール扱いがしっかりしていたよね。もともとオランダでは、GKだけの専門的なトレーニングは40分間くらいしか行わず、残りの時間は他のフィールドプレーヤーと同じメニューをこなしてきた。だからですよ」
そもそもハーフナー・ディドがGKを志願したのも、“らしくない”GKに憧れたからだ。
「7歳の時です。テレビを見ていたら、一人だけ違うシャツを着ている選手がいた。しかも彼は手が使える。オランダ代表だったピート・スフライフェルスに憧れました。彼はGKなのに7番をつけていた。要するに、僕も目立つのが好きだったんですね」
オランダ人にとって186センチは平均サイズだったが、それからディドはゴールマウスに立つことになった。
「確かにGKは危険な職業です。13歳と18歳の時に右手を骨折したし、今でも右目の下にはプレートが入っている」
しかしオランダでGKは、決して子供たちが嫌がるポジションではないそうだ。
「子供たちが20人くらい集まれば、必ず4~5人はGKをやりたがる。ブラジルじゃありえないよね」