「怒鳴る」に待った、「伸び伸び」にも注意 元大リーガー岩村明憲が語る指導論
2015年からルートインBCリーグ・福島ホープスで選手兼任監督を務める岩村明憲氏。一方で、グラウンドを一旦離れれば2児の父。レイズに移籍した2007年に誕生した長男は9歳になり、野球をプレーするようになった。休日には、長男の所属チームの子供たちを試合会場まで引率することもあるという。
子供の指導には「あまり感情を入れない方がいい」
2015年からルートインBCリーグ・福島ホープスで選手兼任監督を務める岩村明憲氏。昨年11月から球団代表の肩書きも増え、福島では3足のわらじを履いて、地元に愛され、かつ勝てるチーム作りに奮闘している。一方で、グラウンドをいったん離れれば2児の父。レイズに移籍した2007年に誕生した長男は9歳になり、野球をプレーするようになった。休日には、長男の所属チームの子供たちを試合会場まで引率することもあるという。
「俺は指導はしないよ。普段、子供たちを指導してくれる人がいるから、そこには入らない。ただ『こういう風にやったらいいかもね』という話を、指導者にさせてもらうことはある。『指導にはあまり感情を入れない方がいいよ』ってね。感情が入ると、やっぱり人って誰かを贔屓してしまう。贔屓してしまうと、いろいろなバランスが崩れるから、淡々とやった方がいい。人間だから感情が入るのは当たり前なんだけどね」
一昔前までは、少年野球の監督やコーチが子供たちに大声を張り上げて指導する姿が一般的だった。いわゆる、スポ根。根性論が全盛期の話だ。だが、最近では、ティーチング(teaching:技術や知識を教えること)とコーチング(coaching:やる気や可能性を引き出すこと)の使い分けが重視され、子供たちに対する指導方法にも変化が見られる。昔ながらに押しつける指導はやめて、子供たちに伸び伸びと野球をプレーさせようというスタイルが増えているが、岩村氏はこの「伸び伸び」のあり方にも注意が必要だと話す。