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思考が伴うボトムアップ型部活 「主体的、創造的、積極的」な選手が変える数年後の姿

取り組む人の心の持ち方次第で地域も変えていける

 一方で相生学院サッカー部も、ピッチ上での基本はトップダウン方式だが、日常生活では選手が主体的に活動することを奨励してきた。選手だけでのミーティングも日常茶飯事で、入学希望者が見学に来れば、大人ではなく今年卒業していく白倉琉聖主将が説明をして、多くの父兄を「これが同じ高校生なのか!」と感嘆させていた。

 2月上旬、畑氏は初めて相生学院のサッカー部員と顔を合わせ3時間ほどの講義をした。

「僕に向けてくる視線や話を聞く姿勢が真剣そのもので、これから楽しみだな、と思いました。サッカーは多くても1日3時間。あとの21時間がもったいないよね。24時間をしっかりデザインできるようになると、もっと力がつくよ、という話をしました」

 スポーツには、取り組む人の心の持ち方次第で地域も変えていける影響力がある。それを実証してきた畑氏が、相生学院を淡路島のモデルチームに育てていくプロジェクトの第一歩を踏み出した。

(第3回へ続く)

(加部 究 / Kiwamu Kabe)

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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