思考が伴うボトムアップ型部活 「主体的、創造的、積極的」な選手が変える数年後の姿
取り組む人の心の持ち方次第で地域も変えていける
一方で相生学院サッカー部も、ピッチ上での基本はトップダウン方式だが、日常生活では選手が主体的に活動することを奨励してきた。選手だけでのミーティングも日常茶飯事で、入学希望者が見学に来れば、大人ではなく今年卒業していく白倉琉聖主将が説明をして、多くの父兄を「これが同じ高校生なのか!」と感嘆させていた。
2月上旬、畑氏は初めて相生学院のサッカー部員と顔を合わせ3時間ほどの講義をした。
「僕に向けてくる視線や話を聞く姿勢が真剣そのもので、これから楽しみだな、と思いました。サッカーは多くても1日3時間。あとの21時間がもったいないよね。24時間をしっかりデザインできるようになると、もっと力がつくよ、という話をしました」
スポーツには、取り組む人の心の持ち方次第で地域も変えていける影響力がある。それを実証してきた畑氏が、相生学院を淡路島のモデルチームに育てていくプロジェクトの第一歩を踏み出した。
(第3回へ続く)
(加部 究 / Kiwamu Kabe)