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「『適切な競争』を用意し、成長する機会を提供」 新時代のスポーツ指導者があるべき姿

「適切な競争」を用意し、成長する機会に

――サポートが足りていない、指導者1人でチームを見ているような場合に、どのような形でサポートを実現しようとしていますか?

「総合型の地域スポーツクラブは日本に約3500あるんですね。それぞれのクラブにアスレティックトレーナーやコンディショニングコーチが所属すれば、近くの学校はサポートを受けられますよね。例えば週に1校ずつ学区内の学校を担当するとして、3500名所属すれば網羅できるはずなので、そのようなネットワークを実現したいと考えています。

 今はスポーツクラブの方と話していますが、昨年スポーツ庁の委託事業に承認されましたので、情報発信とモデルケースとしての成功を目指しています。困ったときに近くに頼れる場所があるということが大切だと思うんです。

 勝ち負けで言えば、結果がはっきりすることは大事だと思っています。競争がないと人は成長しにくいですから。ただその競争が個別性や年代に合った競争を用意できてるかという点に気を付けなければなりません。

 人が成長するときというのは、本番で課題が出てきて、それを分析し、準備過程において負荷ある行動によって改善していく。そのサイクルが成長につながります。真剣に本番に臨まなければうまく回りませんよね。その真剣な本番が試合であり、競争につながっている。あるいはチーム内で試合に出るための競争もある。

 ただし、その競争が子どもにとって過度なものであったり、結果しか見ず課題を認識しない、相手を落として結果を出すような方向性では成長できません。状況を俯瞰して適切な競争を用意してあげる、それが指導者のあるべき姿ですね。

 トーナメント制が良くないと言われる理由は、負ければ次の本番が無くなってしまうからです。もちろん負けたら次が無い、という大きなプレッシャーは成長するための大事な要素なので悪くはないと思いますが、それだけになってしまっては良くないので、リーグ制とトーナメント制をバランスよく経験することが必要ですよね。

 だからといって、小学校低学年に過度なストレスは不要だと思います。だいたい高学年ぐらいから競争を経験していくのが適切ではないでしょうか。人間的成熟が進んできた段階でそれを経験させる、それより前の段階ではチャレンジする機会や楽しさを教えてスポーツを好きになってもらうことがまずは必要ですね」

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