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丸刈り規則は人権問題に? 米高校生に見る、髪形で“部活の制限”は許されるのか

米国で丸刈りでなければ野球部に入れないとなったら…どうなる?

 では、米国では、どんな髪形でも咎められることがないのか。例外は米軍だろう。髪形のスタンダードが定められている。米軍のホームページには、男性は耳や襟のラインにかからない、前頭部や頭頂部の長さまで細かく定められている。女性についても標準の髪形が定められている。しかし、軍で働く黒人の女性らが、ストレートで下に向かって伸びてくる髪の毛を想定した規則だと反論。これを受けて条件付きで編み込むスタイルのブレイズなども認められることになった。

 安全にスポーツするために、長髪はまとめなければいけないこともあるし、金具やピンのついたものを髪につけてはいけないなどの規則はある。米軍は仕事を遂行するにふさわしい髪形という理由で詳細なスタンダードを決めているが、黒人の女性たちから批判されて、規則を変えた。

 もしも、米国で丸刈りでなければ公立校の野球部に入れないということであれば、髪形によって活動の機会を制限されたという人権や差別問題とみなされる。各野球部の監督が丸刈りを「おススメ」することは許容範囲だと思う。それでも、もしも、髪を短く刈っていないと入部できないというルールならば、髪形を理由に野球をする機会を奪われるから、私は、反対だ。

(谷口 輝世子 / Kiyoko Taniguchi)

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谷口 輝世子

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情を深く取材。近著に『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのか――米国発スポーツ・ペアレンティングのすすめ』(生活書院)ほか、『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』(生活書院)。分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店)。

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