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「今、思いがある先生ほど悩んでいる」 名将・佐々木則夫が部活指導者に贈ったエール

先が見えない「3.11」を乗り越え、優勝を掴んだ11年女子W杯のエピソード

 忘れもしない11年の女子W杯。大会4か月前、未曾有の天災が日本を襲った。3月11日、東日本大震災だ。

「東日本にあるチームは電力の関係もあり、平日が練習できず、土日のみ。コンディションもバラバラということを覚悟して調整していく。しかし、代表合宿になると、サッカーができる喜びを感じながら、日本代表として世界と戦えるモチベーションが生まれてきた。当初は大会に参加できないじゃないかと危ぶまれた時期もあったくらい。しかし、これまではなかった全試合中継も決まり、勝ち負けより、日本の皆さんに前向きな姿を見せたいとの思いから団結力が高まり、あれよあれよと優勝ができたんです」

 実体験を伴い、先が見えない困難を乗り越えたというエピソードを聞き、画面上の教職員も何度も頷いた。教員歴がまだ短い参加者は感想を求められ、「洞察力と学びという部分で、自分自身も生徒に対して何ができるか考え、ともに目標を作ったり、モチベーションを高めたりできる環境が大事だと感じました」と声を上げた。

 佐々木さんも「今、子供たちは自制している状況。もし今度できるようになった時はこんなにサッカーが楽しかったのかというモチベーションに変わってくる。(自身がかつて指導したJクラブ)大宮の選手も練習を始めたばかりで、すごいモチベーション。張り切りすぎて怪我をさせないように気をつけて、そうした気持ちを皆さんが良い方向に導いてあげてほしい」と呼びかけた。

 質問コーナーでは、さらにオンライン上が活性化した。「チーム作りで大切にしていること」については「サッカーという競技は指示待ちのスポーツではない。自発的にチームに関われる楽しさをチーム力に反映できる」と持論を説き、「チームとして短期、中期、長期と目標をそれぞれ立てること。最終目標がしっかりしていれば、少し後戻りすることくらい怖くない」と語った。

 また「個性的な選手が多数いた日本代表でどう一体感を作ったか」については前述の短期~長期の目標設定を挙げ、「目標に対して進んだ時に褒めてあげること。急激じゃなくても少し成長したら評価してあげると、選手たちも『少しはできているんだ』と感じ、『じゃあ、次に行こう』という思いが出てくる。会話を積極的にもって、伝えてあげることが大切」と明かした。

 さらに、剣道出身でサッカー未経験の指導者に対しては「私も高校時代、未経験の先生に指導してもらい、のちに有名な先生になった」と語りかけ、「学ぶという点では真っ白なところから吸収できる。対戦した相手校でも学べるものはどこにでも転がっている。多くの女子サッカー指導者も横で連携し、成長している。経験がないことをそんなに恐れないでほしい」と背中を押した。

 ほかにも「指導者側も大会がなくなり、モチベーションを維持するのが難しい」「教育としての部活と勝利至上主義のバランスをどう考えるべきか」「強豪校と戦う場合、自分たちのスタイルを貫くべきか、相手の長所を消そうとするべきか」など、コロナ禍の指導の悩みから具体的なサッカー観の問いまで、活発に意見を交わした。

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