「月経の話」はタブーの日本 五輪選手と産婦人科医が「女性と思春期」の今を考える
水泳の授業は「生理で休むのは仕方ないよね」という風潮
伊藤「『生理中に泳いじゃいけないんですか?』とよく言われますが、泳げますよね」
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江夏「未だにそんなことも言われますね。30年近く前から産婦人科学会や日本臨床スポーツ医学会では泳いでいいと指針を出している。それなのに全然、広まらなくて、学校の授業でも『生理で休むのは仕方ないよね』というような位置づけになってしまっています」
伊藤「もちろん、無理しなくていいけど、『泳げるよ』とは生徒に伝えています。男の先生は分からないから『休んでいいよ』と言うけど、別に病気じゃない。もちろん、体がすごく冷えるとか、2日目で本当につらい場合はやらせませんが、貧血にならずに支障がない程度ならやってもいいと思います」
江夏「私は性教育で必ずそのことを入れています。すると、感想文に『泳いでいいと知って驚きました』と書く子が何人か絶対いる。まだここか、という印象です」
伊藤「私は小中学生の子を見る機会も多いので、結構、親御さんに相談も受けます。『何て言えばいいんですか、子供に……』と。誰に聞けばいいかわからないという方が多いんです。東京都で講演した時も親御さんが多かったし、男性の先生は『生徒に言えなくて……』と言う。別に、管理しようと思うのではなく、先生たちが知っていればいいんじゃないかと思います。そういうことなんだって知っていないと生徒にも選手にも言えないですから」
(明日29日の第2回は「ピル服用のメリット、デメリット」)
(THE ANSWER編集部)