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どうすれば女子スポーツ人口は増えるか WEリーグ初代チェア「部活にシーズン制導入を」

「THE ANSWER」は、競泳の元五輪代表選手で引退後は国連児童基金(ユニセフ)の職員として長く活動している井本直歩子さんの対談連載をスタート。毎回、スポーツ界の要人、選手、指導者、専門家らを迎え、「スポーツとジェンダー」をテーマとして、様々な視点で“これまで”と“これから”を語る。第1回のゲストは日本初の女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」初代チェアに就任した岡島喜久子氏。後編では、ロールモデルとなるべき女性アスリートの存在、そして女子スポーツの人口拡大についてのアイデアも明かした。(構成=長島 恭子)

「スポーツとジェンダー」をテーマとして、様々な視点で“これまで”と“これから”を語る【写真:宮坂浩見】
「スポーツとジェンダー」をテーマとして、様々な視点で“これまで”と“これから”を語る【写真:宮坂浩見】

連載第1回「競泳アトランタ五輪代表・井本直歩子×WEリーグ初代チェア岡島喜久子」後編

「THE ANSWER」は、競泳の元五輪代表選手で引退後は国連児童基金(ユニセフ)の職員として長く活動している井本直歩子さんの対談連載をスタート。毎回、スポーツ界の要人、選手、指導者、専門家らを迎え、「スポーツとジェンダー」をテーマとして、様々な視点で“これまで”と“これから”を語る。第1回のゲストは日本初の女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」初代チェアに就任した岡島喜久子氏。後編では、ロールモデルとなるべき女性アスリートの存在、そして女子スポーツの人口拡大についてのアイデアも明かした。(構成=長島 恭子)

 ◇ ◇ ◇

井本「最後に、女子サッカーが与える社会に対する影響についてお聞きします。対談の冒頭で女子サッカーの場合、LGBTQの選手が多いと触れていました。世界的にみても、例えば米国のミーガン・ラピノー、元選手のアビー・ワンバックら非常に人気のある選手がレズビアンであることをカミングアウトし、同性婚をしています。このように、ロールモデルである選手がカミングアウトしたことは、社会に対し、大きな影響を与えますよね」

岡島「そうですね。最近では米国のナショナル・ウィメンズ・サッカーリーグ(NWSL)のワシントン・スピリッツに所属する横山久美選手がトランスジェンダー(法律上の性別は女性で性自認は男性)であるとカミングアウトしたことは、ご存じの方も多いと思います。米国のバイデン大統領が、横山選手と同じ週にゲイであることを表明したカール・ナッシブ選手(NFLレイダース)に向けて『2人の勇気を誇りに思う』とツイートし、讃えましたよね。非常にインパクトがあったと思います」

井本「そうですね。あれには驚きました」

岡島「それから、実はNWSLの観客をグループ別でみると、一番多くを占めるのが、サッカーをやっている男の子や女の子のファミリー、次がLGBTQのコミュニティなんです」

井本「そうなんですか。それは驚きですね。なぜなんでしょう?」

岡島「男子のプロサッカー(MLS)の観客は、ヒスパニック系、中東系も多く、中にはホモフォビアもいたりするから、そのなかに入ると男性のカップルってすごく居づらいそうです。だから、サッカー好きのゲイの方は、男子のサッカーではなく、女子のサッカーを見に行くようになった。結果、ゲイカップルが観客席にたくさんいるので、周りの目を気にせずサッカーを楽しめるようになった。それでLGBTQの観客が増えたと聞いています」

井本「なるほど。もしかしたら、日本でもWEリーグが一つの居場所になるかもしれませんね」

岡島「はい。私たちもLGBTQのコミュニティの方たちに、ぜひWEリーグを観に来てほしいと思っています」

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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