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LGBTを公表した滝沢ななえ 「美人すぎるバレーボール選手」と呼ばれた過去の苦悩

滝沢さんが交際4年のパートナーと考える結婚制度についての想いとは【写真:荒川祐史】
滝沢さんが交際4年のパートナーと考える結婚制度についての想いとは【写真:荒川祐史】

少し考えが変わってきた結婚制度「私は彼女を扶養家族にはできない」

「結婚制度は、パートナーとよくする話題の一つです。

 私たちの場合、本当に有難いことに、生活するうえで不便や困ったことが今までありません。家も二人で住むことをきちんと伝えたうえで貸していただいているし、同性婚が叶わない現状でも、自分たちなりの幸せを築けています。

 ただ、病気や事故で入院した際の面会の問題、相続の問題などに直面していない分、結婚の重要性を実感できていない部分はあります」

 以前は法律婚の必要性はまったくないと思っていた。でも今は、少し考えが変わってきている、という。

「税について学ぶうちに、籍を入れられるってすごくメリットがあるんだな、と思うようになりました。例えばパートナーのご両親は、お父さんが働き、お母さんは専業主婦なので、お母さんはお父さんの扶養に入っています。うちも私が外で働き、彼女が家のことをすべてやっているので形は同じです。でも、私は彼女を扶養家族にはできない。

 以前は、気持ちで何とでもなるとか、異性間の事実婚と同じだとか、結婚しようがしまいが関係ないね! と思っていました。でも、法律婚でないと叶わないこともあると気付き、やっぱり違うのかな、と。

 だから今は、結婚に対して、少し前向きな考えを持つようになりました。同性婚の制度ができれば、ちゃんと籍を入れたいかな。歳を取ったからかもしれないですね(笑)」

 ときには結婚や離婚を「紙切れ一枚のこと」などと、揶揄する会話を耳にすることもある。逆に滝沢さんの言葉からは、改めて「紙切れ一枚」の重みが伝わってくる。

「私たちは気持ちの繋がりがなくなったら、もう本当におしまいというか。『離婚』となると大変じゃないですか? だけど法的な関係がないと、どれだけ一緒にいたとしても別れることは簡単にできちゃう。

 日本にはパートナーシップ制度がありますが、やっぱり結婚とは異なります。

 法律上、婚姻関係を結べない私たちが繋がれる部分は気持ちしかない。だからこそお互い、紙に負けないぐらいの気持ちを持って一緒にいようね、とよく話します。相手に対して真摯に向き合う時間とか繋がりとか。そういうことをすごく大事にしていますね」

 特に滝沢さんの場合、パートナーは異性愛者。滝沢さんと付き合う以前の彼女は、結婚も出産も望んでいたため、交際をスタートする際、子どもについても徹底的に話し合った。

「パートナーは『女性は結婚して、子どもを産んで、家庭を持つ。これが幸せ』という考えの人でした。

 出産に関しては女性の場合、どうしても肉体的なリミットがあります。ですから、女性同士で付き合っていくうえでは、すごく大きな問題だと捉えていて。二人の間でここの認識がずれていると、難しいのかな、と思います。

 もちろん、子育てをしている同性カップルはいますし、お互い子どもが欲しいならば、手段はあります。ただ私自身には、昔から子どもが欲しいという気持ちがあまりなかった。私と一緒になって欲しい。だけど、私は将来的にも子ども望まないと思う、と伝えたうえで、お付き合いを始めました」

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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