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「部屋に戻り涙が出た」 バレー荒木絵里香さんら登壇、ママアスリートが訴える日本スポーツ界の課題

競技と育児を両立するアスリートを応援し、多様性を理解し支え合う社会を目指す一般社団法人MANは3月3日、『ママアスリートの実際 親でありアスリートである日々とは?』と題したセミナーを、立教大学との共催で開催した。

般社団法人MAN代表理事であり元バレーボール女子日本代表の荒木絵里香さん【写真:編集部】
般社団法人MAN代表理事であり元バレーボール女子日本代表の荒木絵里香さん【写真:編集部】

一般社団法人MANが立教大学とセミナーを共催、新旧の日本代表選手が参加

 競技と育児を両立するアスリートを応援し、多様性を理解し支え合う社会を目指す一般社団法人MANは3月3日、『ママアスリートの実際 親でありアスリートである日々とは?』と題したセミナーを、立教大学との共催で開催した。

 今回のセミナーのメインプログラムは、母親である現役及び元アスリート5名による座談会。登壇者はゴールボールの安達阿記子選手、バレーボールの岩崎こよみ選手、陸上競技の寺田明日香選手、カーリングの小穴桃里選手、そして一般社団法人MAN代表理事であり元バレーボール女子日本代表の荒木絵里香さんと、新旧の日本代表選手がズラリ。ファシリテーターの土肥美智子さん(JOC理事、立教大学特任教授)とともに、育児と競技生活の両立について語り合った。

「今回のセミナーでは、私たちがどんなふうに1日を送っているのか、日常を大切にしながら競技生活を送っているのかを、リアルに知ってほしかった」と荒木さん。座談会では、登壇者全員が自ら撮影した子どもたちや家族との交流、競技を含む生活の様子を公開。産前産後の過ごし方から復帰までの体作り、子どもや家族とのコミュニケーションの方法など、様々な経験談を語った。

 座談会終了後、日本のスポーツ界で競技生活と母業との両立がなかなか拡がらない要因と必要な支援を参加者から問われると、「8年前のことになるが、私が遠征から帰宅した様子をSNSにアップすると、『母親なのに、小さな子どもを家において遠征に行くのか?』と知人に指摘され、日本社会は女性の社会進出に理解がないと感じた」と寺田さん。「また、競技と母業の両立する様子を見て『女性だけが恵まれている』と思われている人も多い。女性、男性がともに幸せになれるシステムの構築が大事では」と提言した。

 寺田さんの言葉を受け「私も同じような経験をした」とは荒木さん。「長期間の合宿に参加した際、合宿所の女性に『あなた毎日いるけど、子どもはどうしているの?』と聞かれた。どこか自分にも罪悪感があり、部屋に戻った時に涙が出た」と、当時の心情を吐露した。

「多様性が謳われる時代ですが、それぞれの考え方や在り方を認められる社会が進んだらいいと思う。私自身は『ママアスリートが最高である』ではなく、『私たちのような選択肢もあるんだよ』と伝えたい」(荒木さん)

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