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ヘトヘトだった稲見萌寧はなぜ崩れないのか 21歳の強さの源は「奮い立たせないこと」

我慢のゴルフを展開、ようやくかみ合った15番で「安心感が出た」

 体力的にはいつ崩れてもおかしくないような状況だったはず。なぜこれだけのプレーができるのか。何が彼女の体を奮い立たせているのか。そんな問いかけに対して、稲見は笑いながら「私の中では奮い立っていないんです」と回答。そしてこう続けた。


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「最後のパターは全ての体力を使ったくらい気合を入れましたが、どこかで奮い立たせるときつくなってしまう。それを安定させるためにずっと冷静でいたという感じです。ショットが調子よくないので、ずっと自分の思っている60%くらいでやっていた感じですね」

 稲見は「ショットの調子が良くない」と、開幕前から繰り返していたが、実際にショットの乱れをアプローチ、パターで凌ぐ“我慢のゴルフ”を続けていた。そんな中で15番パー3では70センチにピタリとつけてのバーディー。ようやくかみ合ってスコアを伸ばせたこの瞬間が、稲見にとっては大きかった。

「耐えて耐えて上位で争いたい。15番でやっとバーディーが獲れて、そこで気持ちが楽になった。ずっとバーディーが来ない状態で、ずっと耐えるゴルフが続いていて、そこでバーディーが来てくれて安心感がでました」

 15番からPOの2ホールを含めて、6ホールで4バーディー。限界を超えたかのような圧巻のプレーを演じた。

 4日間大会で勝ち、2週連続Vも成し遂げた。稲見の次の目標はメジャー制覇だ。「まだまだたくさんの試合が残っているので、肉体的疲労が結構残っているので休んで、体力をトレーニングして1年間戦えるようにします。上位で戦えるように調整したい」。ヘトヘトになりながら次を睨む21歳は、まだまだ強くなる。

(THE ANSWER編集部・角野 敬介 / Keisuke Sumino)




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