あなたの部活は大丈夫? 専門家が説く、運動前の「OK/NG」ウォーミングアップ法
スポーツをする上で欠かせないのが、ウォーミングアップ。部活動に励む中高生はもちろん、トップアスリートも、運動を楽しむ大人も、運動前に必要となるが、その方法によっては、効率が変わってくることもあるという。フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一氏が、スポーツトレーニングの舞台裏を語る連載。今回は「運動前の正しいウォーミングアップ法」について、卓球の福原愛、バドミントンの藤井瑞希など日本を代表するアスリートの個人指導経験を持つ同氏に聞いた。
“静的ストレッチ”は運動前に適さない…中野ジェームズ修一氏が語る“アップ論”
スポーツをする上で欠かせないのが、ウォーミングアップ。部活動に励む中高生はもちろん、トップアスリートも、運動を楽しむ大人も、運動前に必要となるが、その方法によっては、効率が変わってくることもあるという。フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一氏が、スポーツトレーニングの舞台裏を語る連載。今回は「運動前の正しいウォーミングアップ法」について、卓球の福原愛、バドミントンの藤井瑞希など日本を代表するアスリートの個人指導経験を持つ同氏に聞いた。
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ウォーミングアップの目的は、体を温めることです。筋肉は血行が悪くなり筋温(筋肉の温度)が低下すると、粘性が高まり動きが悪くなります。つまり、体の動きを良くするためには、筋温を上げていく必要がある。ですから、練習、試合前には、ウォーミングアップが必要です。
筋温は血液量を増やすと上がります。例えば、指先をきつくゴムでしばると、血行が悪くなり、指先が冷たくなります。ゴムをほどき、指先の曲げ伸ばしを繰り返すと、あっという間に肌色が明るくなり、指先が温かくなりますよね。筋肉の血液量を増やすには、このように関節を曲げ伸ばしするのが最も効率がいい。また、関節を動かすと出てくる滑液が潤滑油となって、関節の動きもなめらかになります。
さて、一般的には「ウォーミングアップをしましょう」と言うと、止まった状態でゆっくりと1か所の筋肉を伸ばす“静的ストレッチ”を始める光景がよくみられます。部活動でも、顧問の先生が運動の知識がなかったり、生徒自らが練習メニューを考えていたりする場合、静的ストレッチを取り入れているところもあるでしょう。
しかし、このタイプのストレッチは運動前に適しません。止まった姿勢でじわじわと伸ばすストレッチよりも、関節を回したり曲げ伸ばしをしたりを繰り返す“動的ストレッチ”やジョギングがウォーミングアップに適しています。