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真面目なジュニア選手ほど摂らない水分 熱中症対策で簡単にできる「冷却法」とは

栄養・食事の観点からジュニア世代の成長について指南する、「THE ANSWER」の保護者向け連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」。プロ野球・阪神タイガースなどで栄養サポートを行う公認スポーツ栄養士・吉谷佳代氏が講師を務め、わかりやすくアドバイスする。第17回は「ジュニアスポーツの熱中症対策」について。

今回のテーマは「ジュニアスポーツの熱中症対策」について
今回のテーマは「ジュニアスポーツの熱中症対策」について

連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」第17回

 栄養・食事の観点からジュニア世代の成長について指南する、「THE ANSWER」の保護者向け連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」。プロ野球・阪神タイガースなどで栄養サポートを行う公認スポーツ栄養士・吉谷佳代氏が講師を務め、わかりやすくアドバイスする。第17回は「ジュニアスポーツの熱中症対策」について。

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 近年の気温上昇により、熱中症の問題は年々、深刻化しています。

 ここ数年、運動時の熱中症対策のキーワードとして注目されているのが「冷却」。深部体温(脳や内臓など体内の体温)を「冷却」によって急激に下げることで、熱中症の重症化を予防できる、という研究の報告が出始めているためです。

 私たちが簡単にできる方法の一つが、「手のひら冷却」です。

 手のひらを見ていただくと、細かい血管=毛細血管がたくさん走っていることがわかりますよね。深部体温はこのような手のひらや足の裏といった体の末端の毛細血管を冷やすと、効率よく下がるといわれています。

 一番よいのは氷水を張ったバケツに、1、2分間、手のひらをつける方法。これだけで、シューッと体温が下がります。ただし、野球のピッチャーや指先を使うような競技の場合は、パフォーマンスに影響する心配があるので、足裏を冷やすほうがよいでしょう。

 しかし、氷水を用意することは難しい、という学校やチームも多いと思います。その際、代用として使えるのが、要冷蔵の食品を購入したときについてくる保冷剤です。今の時期はお弁当の冷却用に活用されているご家庭もあると思いますが、チームで用意する、あるいは各ご家庭で多めに子どもに持たせるとよいでしょう。練習前後や試合時のハーフタイム、ベンチに戻っている時間などに握りしめると、末端の冷却効果により熱中症の予防になります。

 また、熱中症対策の基本である水分補給にも「冷却」を取り入れているチームは増えています。こちらは、シャーベット状に凍らせたスポーツドリンクを口に含み、喉を冷やすことで深部体温を素早く下げる、という方法です。プロ野球チームでも屋外で練習する際は、普通の水分補給用と冷却用のドリンクを用意。カンカン照りの環境下で長時間、練習をする選手は、冷却用のドリンクを休憩時間にとり、熱中症対策を講じています。

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吉谷 佳代

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

江崎グリコ株式会社で健康食品開発や、スポーツサプリメントの研究開発に従事。その傍ら、多くのアスリート、学生スポーツ、ジュニアへの栄養指導、食育イベントに携わる。2013年に独立。以降、ジュニアからトップアスリートまで幅広い競技の選手に対し、栄養サポートを行う。現在、プロ野球・阪神タイガース、実業団女子バレーボール・JTマーヴェラスのチーム専属栄養士。過去には、シスメックス女子陸上競技部(2015~2020年)、Bリーグ・西宮ストークス(2014~2017年)、自転車ナショナルチーム(2013~2018年)をはじめ多くのプロ選手やジュニア選手の栄養サポート実績を持つ。

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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