コロナ禍の冬、「免疫力アップ」にオススメ ジュニア選手に毎日食べてほしい食材
栄養・食事の観点からジュニア世代の成長について指南する、「THE ANSWER」の保護者向け連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」。サッカーJリーグ・アルビレックス新潟で栄養アドバイザーを務めている公認スポーツ栄養士・長谷川直子氏がわかりやすくアドバイスする。第12回は「冬に免疫力をサポートする食べ物」について。
連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」第12回
栄養・食事の観点からジュニア世代の成長について指南する、「THE ANSWER」の保護者向け連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」。サッカーJリーグ・アルビレックス新潟で栄養アドバイザーを務めている公認スポーツ栄養士・長谷川直子氏がわかりやすくアドバイスする。第12回は「冬に免疫力をサポートする食べ物」について。
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空前のコロナ禍によって、皆が体調管理を心掛けていた今年、「免疫力アップ」という言葉をとても多く耳にしました。免疫力をサポートする食べ物として挙げられるものといえば、発酵食品、ビタミンC、体を温める食材……などなど。特に風邪を引きやすいこれからの季節、積極的に摂ってほしいのが「きのこ類」です。
スポーツをするジュニア選手だけでなく、一般の大人を対象にした食事相談を行うなかでも、「きのこは、あまり食べないなぁ……」という声をよく聞きます。しかし、きのこ類の価格は年間を通して安定していますし、いろいろな料理に活用もできます。ぜひ、毎日の食卓に並べてほしい食材です。
きのこ類に含まれるビタミンDには、免疫機能を調整する役割があります。
特筆すべきは、生しいたけに含まれるエルゴステロール。この成分は紫外線にあたることでビタミンDに変化するため、特に、干ししいたけはビタミンDが豊富。また、生のしいたけも、食べる前に数時間日光に当てるだけで、同じくビタミンDが増えます。
さらに、きのこ類には腸内の免疫細胞に働きかけ、免疫力を高める役割のあるβ-グルカンが含まれています。特に多く含まれているのは舞茸。ほか、しめじ、えのき、エリンギなどは、食物繊維も多く、腸内環境を整え、免疫力を高めることをサポートしてくれます。
私は、きのこ類はいつでも使えるように、多めに購入し、小房に分けたり、食べやすく切ったりして、冷凍保存をしています。定番は野菜や肉を一緒に使った炒め物や煮物ですが、寒い季節になると出番の多い、鍋料理やシチューなどにも、必ずきのこ類を入れます。
ほか、舞茸やしめじを炊き込みご飯に加えたり、シリコンスチーマーで加熱したしめじをサラダに乗せたり、マリネにして常備菜にするなど、家族全員が毎日の食事で必ずきのこ類を取れるようにしています。
きのこを使いやすいメニューがないときは、みそ汁などの汁物に加えると、簡単で、よいですよ。
お子さんの中には、きのこ類が苦手……という人もいると思います。私もジュニアの選手や保護者の方たちから、「きのこは食物繊維が多いので噛み切りにくい」「食感や香りが嫌い」という声をよく聞きます。
きのこ類が苦手な子どもには、例えばしいたけやしめじを、みじん切りにしてハンバーグやミートソースの具に加える、えのきを3cmくらいに切って麻婆春雨に加えると食べやすいです。
加えてビタミンDは、カルシウムの吸収を助けるため、丈夫な骨作りにも欠かすことのできない栄養素。ですから、風邪予防、ケガの予防の面から、ジュニアアスリートの皆さんには積極的に食べて欲しいと思います。毎日、きのこ類を料理に取り入れて、寒~い冬を乗り越えましょう!
(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)