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メジャー630発男も認めた逆輸入スラッガー ドラフト待つ根岸辰昇、慶応高→米大学で得た「特異な経験」

根岸は自身の経験を後輩たちに還元したいと考えている【写真:羽鳥慶太】
根岸は自身の経験を後輩たちに還元したいと考えている【写真:羽鳥慶太】

米国でも守った日本人の長所「やはり違うんです」

 一つの例として米国の打撃練習は、日本のように投手が正規の距離で投げてくるボールを打つのではなく、マウンドまで半分ほどの距離から速いテンポでポンポン投げ込んでくる。必然的に対応力が磨かれ、その過程では打席で細かいことが気にならなくなるという副産物もあった。

「米国では、いいバッターは作るものではなく生まれるもので、150キロを超えるボールの芯に当てられる技術は天性のものだという考え方が根強いんです。それが僕にはある、信じてやれと言われて、テークバックがどうとか細かいところを気にするのではなく、自分のスキルを信じられるようになりました」

 根岸の身長は180センチ。高校3年時に83キロだった体重は、100キロ近くにまでなった。筋力をつけるという選択も、環境に適応しようとした結果だ。「自分は左投げなので、ポジションが外野か一塁になる。必然的にパワーが、筋力が大事かなと」。スラッガ―として勝負するために、アメフトのコーチの助けも得ながら体づくりに励んだ。スピードを失わずに増量することに成功した。

 一方、異文化の中に飛び込んだことで、日本人の優れている点も感じたという。「ハードワークとか、組織の中で役割を果たすという部分は変わらないようにと思ってやっていました。やはり日本人は勤勉さが違うんです。練習量を確保するようにして」。変わるべきところと、変えてはいけないところを見極めてプロ注目の存在となった。

「プロになるからには上を目指す。球界一の選手になることが目標です」

 慶応高卒業後、最初に飛び込んだのはカリフォルニア州のオレンジコースト短大。エンゼルスやドジャースの本拠地で大リーグの試合を見た。大谷翔平投手の活躍で、日本人選手に対する評価が上がっていく過程も肌で感じた。その上で、思い描いていることがある。

「自分は特異な経験をしてきました。これを将来的には、続く選手に還元できればと思っています」。今はまだ特殊な、日本の高校→米大学→プロ野球というルート。後に続く選手のためにも、道を切り開いていく。

(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)

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