佐藤琢磨、「インディの奇跡」をもう一度― 日本人初の年間王者へ、必要なあと2勝
マシンの精度向上、最低ラインへあと2勝
最近5年間の成績を見てみると、総合優勝を飾ったドライバーはいずれも3勝以上挙げている。3勝で優勝したドライバーは2人(3度)。言い換えれば、最低3勝すれば勝機は見えてくる。すでに1勝を挙げている佐藤は後半戦の早い時期に2勝目を挙げて終盤に望みを繋げたいところだ。
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佐藤にとって、相性の良いコースが残っていることは好材料だ。第16戦のポートランドは昨年20番手から大逆転で勝利を収めており、第12戦のアイオワは昨季3位に入った。第14戦のポコノでは過去にポールポジションを獲得した経験がある。第13戦のミッド・オハイオと最終戦のラグナセカは得意とするロードコース。挽回のチャンスは残っていると言える。
今年のインディ500で見せた奇跡的な巻き返しは、佐藤琢磨というドライバーの底力を見せつけ、チームに大きな自信を与えた。ジョーンズ氏が「闘争心は琢磨の血と骨。諦めない姿勢は彼の真骨頂だ。1度勝つと慢心するドライバーは多いが、インディ500を勝った2年前よりも勝利に飢えている」と感嘆する驚異的な精神力を武器に、インディの奇跡を再び起こせるだろうか。
(岡田 弘太郎 / Kotaro Okada)